永小作権の登記の登記事項 まとめ

不動産登記法79条 永小作権の登記の登記事項

果たして現代において永小作権が登記されている土地がどれほどあるのでしょうか・・・。今まで永小作権の登記申請を受理したことがある登記官がいれば、聞いてみたいです。

 

登記すべき事項

・登記の目的

・申請の受付年月日及び受付番号

・登記原因及びその日付

永小作権は時効取得によっても取得が可能です。登記原因は「〇年〇月〇日 時効取得」です。ただし、実務や判例では永小作権ではなく、賃借権の時効取得になる場合がほとんどのようです。この場合、農地法所定の許可は不要のようです。

 

・登記に係る権利の権利者氏名又は名称及び住所並びに登記名義人が二名以上であるときは当該権利の登記名義人ごとの持分

・登記の目的である権利の消滅の定めがあるときは、その定め

・代位者がいる場合は代位者の氏名又は名称及び住所並びに代位原因

・権利の順位

 

小作料(絶対的登記事項)

・存続期間又は小作料の支払時期の定めがあるときは、その定め

存続期間は20年以上50年以下です。20年未満50年以上であった場合は、受理されません。また、存続期間の設定がない場合の存続期間は30年です。

登記原因証明情報に記載がなければ、存続期間は30年ですが、この場合、申請情報に「30年」と記載する必要があります。

 

民法第272条ただし書の定めがあるときは、その定め

永小作権の譲渡、賃貸を禁じる場合は特約にて登記が可能です。

 

・前2号に規定するもののほか、永小作人の権利又は義務があるときは、その定め

実務がどのようになっているのか不明なので、理解ができていません。

永小作権を自由に処分する権利を有する他、小作料の支払い義務や土地返還時の原状回復義務といった内容でしょうか。ネット上にはほぼ記載がありませんでした。

恐らく過去問も永小作権に関する出題は少ないでしょうね。