会社法 株式総則 その3

会社法116条~ 反対株主の株式買取請求権

 

・反対株主の株式買取請求(116条)

株主の利益に重大な影響を及ぼす定款の変更を行う場合、変更に反対する株主は会社に対し株式買取請求を行うことができます。

①全株式を譲渡制限株式にするとき

②ある種類株式を譲渡制限株式、全部取得条項付種類株式とするとき(「取得条項付」種類株式ではなく、「全部取得条項付」種類株式。)

③ある種類の種類株主に損害を及ぼす可能性がある以下の変更をするとき

・株式の併合又は分割

・株式無償割り当て

・単元株式数の変更

・株式を引き受ける者の募集

新株予約権を引き受ける者の募集

新株予約権無償割り当て

※全部取得条項付種類株式…株主総会の決議によって、会社が全株式を取得できる株式のことです。取得条項付株式は会社にある一定の事由が発生したことを条件に(株主総会の決議を経ることなく)会社が株式を取得できる株式です。

 

株主が買取請求権を行使するためには、

①会社が定款変更の効力発生20日前までに株主に対して通知を行います。(公告も可。)

②株主は効力発生20日前~前日までに買取請求する株式の数を会社に通知します。

なお、定款変更を中止した場合は、買取請求権の効力も失われます。

 

・株式の価格の決定(117条)

株主から株式買取請求があった場合、会社は公正な価格で買い取らなければなりません。しかし、会社法上「公正な価格」に関して特に明確な規定はされていません。

株主と会社の間で、価格に関して協議が整った(会社からの提示に対し、株主が合意した)場合、定款変更の効力発生日後60日以内に会社は株主に対して、支払いをする必要があります。

定款変更の効力発生日から30日以内に協議がまとまらなければ、その期間満了日後30日以内に会社又は株主は裁判所へ価格決定の申し立てすることができます。