会社法 募集株式の発行等 その5

会社法202条の2 取締役の報酬等に係る募集事項の決定の特則

 

・募集株式を役員の報酬に充てる場合の特則

令和元年の会社法改正(令和3年3月1日施行)により、上場企業である場合には、役員の報酬として募集株式を無償で割り当てることができるようになりました。

上場企業が定款の定め又は株主総会の決議により役員の報酬として当該株式会社の募集株式を充てると定めた場合、役員が得る株式については引受けに際し、対価を支払うことを要しません。なお、その場合は募集株式の発行にあたり、以下の募集事項を定める必要があります。

役員報酬として株式の発行又は自己株式の処分を行い、それらの引換えに金銭、現物財産の支払いが不要の旨

②募集株式の割当日

募集株式を役員報酬とした場合は、「募集事項の決定の委任」及び「公開会社が定める募集株式の価額(市場価格)の決定」は適用されません。

指名委員会等設置会社である場合には、報酬委員会が役員の報酬を定めますが、その場合は、取締役のみではなく、執行役の報酬も定めることとなります。執行役の報酬を募集株式を無償で割り当てることとすることができます。

 

現時点で新しすぎる改正なので、過去問が見当たりません。他の規定と組み合わせたときにどのような例外が発生するのか、独学ではわかりません。