会社法 募集株式の割当て その3

会社法206条の2 公開会社における募集株式の割当て等の特則

 

・公開会社における募集株式の割当て等の特則

公開会社が募集株式の発行を行った結果、ある引受人(以下、特定引受人)の議決権が全議決権の過半数以上を占めるに至る場合があります。その場合、会社は特定引受人の払込期日(払込期間がある場合は初日)の2週間前までに既存株主へ当該特定引受人に関する情報(氏名又は名称、住所等)を通知又は公告する必要があります。

これは特定引受人が新たな株主となることで、既存株主の利益や権利を害する可能性があるため、通知義務が課せられています。

この通知は、既存株主の利益や権利を害する可能性がない場合は不要です。具体的には親会社が特定引受人になる場合と株主割当てによる場合です。また、金融商品取引法上の届け出をしている場合も含まれます。

金融商品取引上の届け出…企業内容等開示制度により、常に企業・投資情報の縦覧が可能な企業。(恐らくこの条件で正しいはずです。独学の限界です。)

 

・既存株主へ特定引受人に関する通知を行った後の規定

既存株主へ特定引受人が新たな株主になる旨を通知し、全株主の総議決権の10分の1以上の反対があった場合、株主総会の決議が必要となります。ただし、会社の財務状況が著しく悪化しており、早急な資金調達が必要な場合は、取締役会の決議のみで可決することができます。

 

・特定引受人に関する株主総会の決議

特定引受人が株主となることを可決するための株主総会の決議は特別決議ではありませんが、全議決権の過半数の出席とその過半数の賛成が必要です。

この株主総会成立要件は、定款で3分の1以上の出席とすることができます。また、可決要件を2分の1以上にすることもできます。可決要件を2分の1未満にすることはできません。