会社法 募集新株予約権の割当て その1

会社法242条~ 申込みと割当て

 

・募集新株予約権の申込み

新株予約権の募集に際し、会社は新株予約権を引き受けようとする申込者に対し、募集事項等の通知を行い、通知を受けた申込者は会社へ申し込む、という当たり前の流れです。目論見書が交付されていた場合に限り、会社からの通知は不要となります。

 

新株予約権の割当て

会社は申込者に対して、割り当てる新株予約権の数を決定し、通知します。割り当てる申込者、新株予約権の数は会社が決めることができます。すべての申込者に割り当てる、申込数の上限を割り当てる必要はありません。

 

・割当ての決定

募集新株予約権の割り当ての決定は、譲渡制限付新株予約権又は新株予約権の目的である株式が譲渡制限株式である場合は、株主総会取締役会設置会社の場合は取締役会)の決議によります。定款により決定機関を株主総会・取締役会以外とすることもできます。

 

・総引受契約を行う場合

募集新株予約権の総引受契約を行う場合は、申込者に対して行う新株予約権の割当数の決議及び通知することを要しません。

ただし、譲渡制限が付されている場合は、総引受契約であっても、決定機関(定款に別段の定めがない場合は、株主総会、取締役会)の決議が必要です。

 

・公開会社が募集新株予約権を発行する場合の特則

公開会社が新株予約権を発行するにあたり、引受人が引き受けた新株予約権を全部株式に引き換えると議決権の過半数を超える場合(引受人が新株予約権を株式に引き換えたら、特定引受人となる可能性がある場合)、会社は既存の株主へ通知又は公告を行う必要があります。

ただし、会社が既存株主に対して新株予約権を発行する場合又は金融商品取引法上の届け出をしている場合は、通知義務はありません。

なお、特定引受人による新株予約権の引き受けに10分の1以上の既存株主が反対した場合の特則は、募集株式の場合と同様となります。