会社法 株主総会 その7

会社法310条~ 議決権の行使

 

・議決権の代理行使(310条)

株主は代理人によりその議決権を行使させることができます。この場合、株主又は代理人は代理権を証明する書面を会社に提出する必要があります。

代理による議決権行使は、株主総会ごとに代理権を付与しなければなりません。一度代理権を付与したからと言って、それが永遠に続くものではありません。

会社は合理的理由の範囲でなければ、代理人による議決権行使(株主総会への出席)を制限することはできません。代理人の範囲を当該会社の株主に限定することは、合理的理由の範囲内となります。(株主総会に出席できる代理人を無制限に許してしまうと無闇矢鱈に人が人が出入りしてしまい収拾がつかなくなってしまいます。)

 

・書面による議決権行使(311条・312条)

書面による議決権の行使が認められている場合、議決権行使書面に必要な事項を記入したうえで会社へ送ることによって、株主総会に出席した議決権の数に算入されます。議決権行使の期限は「株主総会の直前の営業時間終了時」までです。

株主が議決権行使書面に規定の事項を記入したうえで会社に送付したにもかかわらず、株主総会に参加して議決権を行使した場合は、書面が無効となります。議決権行使の前後が明らかな場合は、先に行使したものが撤回されたものとみなされます。電磁的方法による議決権行使も前後が明らかな場合は同様に撤回とみなされます。

 

・議決権の不統一行使(313条)

複数の議決権を持つ株主は議決権を統一しないで行使することができます。

ex)賛成に1票、反対に1票

ただし、会社は、議決権の行使者が他人のために株式を有する者でない場合は、議決権の不統一行使を拒むことができます。ここでいう「他人のために株式を有する者」は、機関投資家や運用会社等を指すようです。

取締役会設置会社に対しては、あらかじめ株主総会の3日前までに議決権の不統一行使する旨と理由を会社に対して通知する必要があります。