会社法 役員等の損害賠償責任 その5

会社法428条~ 役員等の損害賠償責任

 

・取締役が自己のためにした取引に関する特則(428条)

取締役又は執行役が会社と直接取引を行い、会社に損害を与えた場合、それが自己のために行った取引であるときは損害が発生した事由が取締役又は執行役の責めに帰すものでなかったとしても、取締役又は執行役は損害賠償責任を負います。取締役会の承認を得たか否かは問いません。

425条、426条、427条の適用はされないため、責任の一部免除はありません。

ただし、424条の適用はあるため、総株主の同意があれば、責任を免除することができます。

 

・役員等の第三者に対する損害賠償責任(429条)

三者に対する損害賠償責任は、役員等が悪意又は重過失があった際に発生します。

取締役、執行役、会計参与、会計監査人、監査役がその業務を行うにあたり、虚偽の記載、記録を用いて業務を行った際は、損害賠償責任を負います。

ex)会社が倒産寸前であるにもかかわらず、取締役が売掛で商品を仕入れた場合、取引先に対して損害賠償責任を負います。

 

・連帯責任(430条)

複数の役員等が会社や第三者に対して損害賠償責任を負う場合、それらの者は連帯して責任を負わなければなりません。連帯債務者となります。