会社法 新設合併等の手続き その1

会社法803条~ 新設合併等の手続き

 

・新設合併契約等の承認(804条)

消滅株式会社等は株主総会の決議によって、新設合併契約等の承認を受けなければなりません。ただし、新設合併を行うにあたり、新設合併設立会社が持分会社である場合には、株主の総同意が必要です。

新設合併消滅会社又は株式移転完全子会社が種類株式発行会社であり、当該新設合併消滅会社又は株式移転完全子会社の株主に交付される株式に新設合併株式会社又は株式移転完全親会社の譲渡制限株式が含まれる場合、当該譲渡制限株式の株主を構成員とする種類株主総会の決議がなければ、新設合併及び株式移転の効力は生じません。

消滅株式会社等は、新設合併等の承認を得る株主総会の2週間後までに登録株式質権者へ新設合併等を行う旨を通知又は公告しなければなりません。ただし、上記の譲渡制限株式の種類株主総会が招集される場合は、その承認決議の後です。

 

・新設分割の承認を必要としない場合(805条)

新設分割を行うにあたり、新設分割設立会社に承継させる資産が新設分割会社の総資産の5分の1を超えない場合は、株主総会の承認は不要です。(簡易分割の要件を満たす場合です。なお、新設型の組織再編には、特別支配株主による略式手続きはありません。)

 

・新設合併等をやめることの請求(805条の2)

新設合併等が法令又は定款に違反する場合で、消滅株式会社等の株主が不利益を受ける恐れのあるときは、当該株主は新設合併等をやめることを請求できます。ただし、新設分割が簡易分割の要件を満たす場合は、請求することはできません。

 

・反対株主の株式買取請求権(806条)

新設合併等を行うにあたり、新設合併等に反対する株主は、消滅株式会社等に対して、保有する株式を公正な価額で買い取ることを請求できます。ただし、「新設合併会社が持分会社である場合」「簡易分割の要件を満たす場合」は請求ができません。

反対株主の株式買取請求に係る流れは、いつも通りです。

 

新株予約権買取請求権(808条)

新設合併等によって新設合併株式会社等の新株予約権の交付される消滅株式会社等の新株予約権者のうち、新設合併等の前後で新株予約権の内容が合致しない場合は、消滅株式会社等に対して、新株予約権を買い取ることを請求できます。