会社法 新設合併等の手続き その2

会社法810条~ 新設合併等の手続き

 

・債権者の異議(810条)

新設合併等にあたり、消滅株式会社等に対し、新設合併等について異議を述べることのできる債権者は以下の通りです。

①新設合併…新設合併消滅会社のすべての債権者

②新設分割…新設分割後、新設分割株式会社(分割によって設立した会社ではなく、分割を行った会社)に対して債務の履行ができない債権者(人的分割の場合は、新設分割株式会社の債権者も異議申述可能。人的分割を行うと新設分割株式会社の財産が変動するため。)

③株式移転…株式移転完全子会社の新株予約権社債権者が株式移転完全親会社の新株予約権の交付を受ける場合の社債部分の債権者(社債権者)

消滅株式会社等は、新設合併等に際し、債権者保護手続きを行う必要があります。

(たとえ異議を述べられる債権者がいなかったとしても、官報への公告は必須。)

②について補足…簡易分割の要件を満たす場合であったとしても、債権者保護手続きは必要です。また、簡易分割の要件を満たしていたとしても新設分割株式会社の債権者は異議を述べることができます。

 

・剰余金の配当に関する特則(812条)

新設分割にあたり、新設分割の効力発生日における剰余金の配当(配当が新設分割設立会社の株式又は持分であるものに限る)及び全部取得条項付種類株式の取得(取得対価が新設分割設立会社の株式又は持分であるものに限る)は、効力発生日の新設分割会社の分配可能額を超えて行うことができます。

 

持分会社の手続き(813条)

持分会社が新設合併又は新設分割(合同会社に限る)を行う場合は、当該持分会社の社員の総同意が必要です。

 

・株式会社設立の特則(814条)

新設型組織再編及び組織変更による株式会社設立の際は、公証人による定款の認証は不要です。発起人も必要ありません。

新設株式会社の定款は消滅会社等が作成します。