民事訴訟法 当事者 その1

民事訴訟法28条~ 当事者

 

判例(当事者)

共同相続人のうち、自己の相続分のすべてを譲渡した者は、遺産確認の訴えの当事者適格を有しません。(最判平成26.2.14)

本人が有する精神能力により、控訴の取り下げることで結審し、自己の生活が脅かされることを理解できない者が行う控訴の取り下げは無効です。ただし、控訴の提訴は有効です。(最判昭和29.6.11)

給付訴訟においては、原告が給付義務者であると主張する者に被告適格があります。(最判昭和61.7.10)

 

・原則(28条)

当事者能力、訴訟能力及び訴訟無能力者の法定代理は、民事訴訟法に特別の定めがある場合を除いて、民法その他の定めによって決められます。

当事者が訴訟能力を有するかどうかは、当事者同士に争いがない場合であったとしても、裁判所が職権で調査しなければなりません。

 

・法人でない社団等の当事者能力(29条)

法人でない社団、財団で代表者、管理者の定めのある者は、代表者、管理者の名で訴訟の当事者能力を有します。

 

判例(29条)

権利能力なき社団に帰属すべき不動産について、その不動産の登記上の名義人に対して行う権利能力なき社団の代表者個人名義へ所有権移転登記を求める訴訟は、権利能力なき社団の構成員全員が原告適格を有します。(最判平成26.2.27)

 

・選定当事者(30条)

共同の利益を有する多数の者であって、法人でない社団等に該当しないものは、全員のために原告又は被告となるべき代表者(又は代理人…複数可)を選定することができます。訴訟が提起された後に代表者を選定した場合、代表者以外の当事者は、訴訟から脱退します。

訴訟係属中に、原告又は被告と共同の利益を有する者であって、当事者となっていない者は、原告又は被告を自己のためにも原告又は被告として選定することができます。