民事執行法 債権及びその他の財産権に対する強制執行 その3

民事執行法159条~ 債権執行等

 

・転付命令(159条)

通常、金銭債権を差し押さえた場合、債権者が第三債務者へ直接取立てを行います。しかし、同一の金銭債権に対し他の債権者が差押えをしようとしている等の事情により、満足に取立てを行えない場合があります。

そこで、債権者は執行裁判所へ転付命令の申立てを行うことで、第三債務者から直接自己へ債務の履行をするように債権を移転させることができます。

転付命令は、債務者及び第三債務者に送達しなければ、その効力を生じません。また、転付命令の送達が完了するまでの間に転付命令に係る金銭債権を他の一般債権者が差押え、仮差押え又は配当要求をしたときは、効力を生じません。

 

・転付命令の効力(160条)

転付命令の効力が生じた時点、つまり、第三債務者へ送達された時点で、差押債権者の債権及び執行費用は、券面額を上限に弁済されたものとみなされます。

転付命令の効力が生じた場合、第三債務者が無資力であったとしても、債務者は弁済したとみなされるため、債権者は債務者に対して請求することはできません。