憲法 国民の権利及び義務 その3

憲法14条~ 国民の権利及び義務

 

法の下の平等、貴族の禁止、栄典(14条)

全ての国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

華族その他貴族の制度は、これを認めない。

③栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴わない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

 

・解説(14条)

「人種、信条、性別、社会的身分又は門地」は、例示的に列挙されたものです。(最判昭和48.4.4)

憲法14条が定める「平等」が持つ意味に、形式的平等と相対的平等があります。形式的平等は、すべての人に対して平等な機会があるべきとの考え方であって、他者との比較においても十分な権利を保障するものです。相対的平等は、社会上当然に生じる事実上の差異を認め、合理的な区別を認めるものであり、不合理な差別を認めないとするものです。

憲法14条が定める「信条」は、歴史的には信仰や宗教を指していましたが、現代においては、政治的主張や世界観等の幅広い意味を含むものとされています。

憲法14条が定める「社会的身分」は、人が社会において占める継続的な地位であるとされています。高齢であることは、社会的地位とは言えません(最判昭和39.5.27)

議員定数や選挙関係については、「とりあえず合憲」と覚えておけば、なんとかなるかも・・・。

 

判例(14条)

地方公共団体が公権力の行使にあたる行為を行うことができる管理職への昇任を日本国民に限ることは、憲法14条1項に違反しません。(最判平成17.1.26)

嫡出子と非嫡出子の法定相続分を区別する合理的根拠はなく、当該区別は、憲法14条に違反します。(最決平成25.9.4)

平成20年当時において、民法733条に規定する再婚禁止期間の規定のうち、100日を超える部分は、憲法に違反するに至っていたというべきです。(最判平成27.12.16)

→上記の判決より前は、女性は、前婚の解消又は取消しから6か月間は再婚禁止期間でしたが、現在は100日間となっています。