供託法 弁済供託 その2

供託法 受領拒否を理由とする弁済供託

 

・賃料の増額、減額

賃借人が賃貸人(家主)へ賃料(家賃)を提供しても、受領拒否された場合、賃料債権を供託することができます。

賃貸人からの賃料の増額請求があった場合で、賃借人との協議が整わず、目下係争中であるときは、賃借人が相当と認める賃料又は従前の賃料の提供をして、賃貸人から受領拒否されれば、その金額又は従前の賃料の額を供託することができます。(口頭の提供でも供託可能です。何も提供しないのに供託することはできません。)

他方、賃借人が賃料の減額請求をした場合で、賃借人が相当と認める賃料を提供して、賃貸人が受領拒否したときは、供託することはできません。

 

・相続発生後の賃料債権

賃貸人(被相続人)に相続が発生し、賃料債権が分割された場合で、相続人が複数いるときは、賃料債権も分割相続されます。そのため、相続人のひとりに対して賃料の全額を供託することはできません。相続割合に応じた金額を供託する必要があります。

 

・金銭消費貸借の金銭債権

金銭消費貸借契約の借主は、その弁済期前に元本と弁済期までの利息を合わせて貸主へ提供し、受領拒否された場合は、その全額を供託することができます。

ただし、上記の場合で元本とその提供時までの利息を合わせて貸主へ提供し、受領拒否されたときは、供託ができません。提供時から弁済期までの利息について、貸主の利益を害することはできないため、弁済期までの利息を提供しなければなりません。