民法 基本原則

民法1条~ 基本原則

 

・基本原則(1条)

私権は、公共の福祉に適合しなければなりません。

権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければなりません。

権利の濫用は許されません。

 

・信義則(1条)

民法1条の条文は、基本原則です。

「公共の福祉」「信義則」「権利濫用の禁止」の3つが基本原則として挙げられます。意味は大体以下の通りです。

個人の権利より公共の福祉が優先されます。

信義則に反する行為は無効です。

権利の濫用をした場合は、法の保護を受けられません。

 

以下に信義則の派生概念を挙げます。

禁反言の原則…自分が言ったことと反対の行為をすることは、信義則に反して無効です。

クリーンハンズの原則…自分の手がきれいでなければ、法の保護は受けられません。自らが行った法に反する行為や違法行為によって生じた結果に対して、法の救済を受けることはできません。

事情変更の原則…契約時には、想像もつかなかったような社会事情の変化があった場合には、契約の変更ができます。ただし、当事者の責めに帰すことのできない事情の変化や、契約の変更をしなければ著しく不合理な結果を招くなどの要件が必要です。

権利失効の原則…権利者が信義に反して権利行使を長期間しないでいると、権利の行使ができなくなるという原則です。相手方にとってもはや権利行使がされないものと信頼に足る状態になった場合に限り、時効とは別の個別要件が適用されます。「信義に反して権利行使をしない」という特殊な条件が必要です。