会社法 定款の変更

会社法466条 定款の変更

 

・定款の変更(466条)

会社は成立後、株主総会の決議によって定款の変更をすることができます。

定款変更に関する決議は、株主総会の特別決議でなければなりません。

 

会社の「成立前」に公証人の認証を受けた定款は、原則変更を行うことはできません。ただし、以下の場合に限り変更を行うことができます。

①変態設立事項について、検査役による調査の結果、裁判所が不当であると判断し、これを変更する場合。

②変態設立事項について、検査役による調査の結果、裁判所が不当であると判断し、これを発起人全員の同意によって廃止する場合。

③発行可能株式数の記載がない場合。

④発起人全員の同意によって、発行可能株式数を変更する場合。

会社法の勉強の初期に覚えた内容です。忘れかけてました。

会社法 剰余金の配当 その5

会社法465条 剰余金の配当等に関する責任

 

・欠損が生じた場合の責任(465条)

株主に対する配当を行った事業年度の計算書類の確定時に資本金の欠損が生じていた場合(=分配可能額以上の分配を行っていた場合)、業務執行者は会社に対し分配可能額を下回った金額又は分配を行った金額のいずれか少ないほうを支払う義務を負います。注意を怠らなかったことを証明した場合は、免責となります。

上記の欠損補填義務が生じるのは、分配可能額を超えて剰余金の配当を行った場合と株式買取請求権に応じて株式を買い取った場合です。

総株主の同意がなければ、支払いを免除することはできません。

 

ただし、下記に定める剰余金の配当を行った場合は、支払い義務は生じません。

①剰余金の配当が定時株主総会の決議によって決定された場合。(臨時株主総会は含みません。)

②資本金の減少を決定する株主総会であって、減少させた資本金を原資として剰余金の配当を行う決議が行われた場合。

③準備金の減少を決定する株主総会であって、減少した準備金を資本金とせず、かつ、減少した準備金を原資として、減少した額を超えない範囲で剰余金の配当を行う決議が行われた場合。

 

会社法 剰余金の配当 その4

会社法463条~ 剰余金の配当等に関する責任

 

・株主に対する求償権の制限等(463条)

通常、分配可能額を超えて剰余金の配当を受けた株主に対し、業務執行者等は会社に対してその利益を返還するよう請求できます。(=求償権)

ただし、分配可能額を超えた配当を行った事実について、当該株主が善意である場合、会社に対する支払い義務を負いません。当たり前ですが、悪意であれば当然返還しなければなりません。

通常、経営にあまり関与しないような株主は、配当を受けた剰余金が実は分配可能額を超えていることなど、知りようがない場合があります。そのような株主に対してまで返還を求めなくてもよいということになります。何より分配してしまった業務執行者の過失であるのですから、求償権の制限をするのは致し方ないと思えます。

 

・債権者の求償権(463条)

会社の債権者は、株主に対して求償権の行使ができます。ただし、当該株主が支払い義務を負う場合に限られます。

 

・買取請求に応じて株式を取得した場合の責任(464条)

株主は様々な場合に株式買取請求権を行使できます。

会社側が下記の買取請求権に応じて株式を取得した場合において、買取請求権を行使した株主に対して給付を行った金額が分配可能額を超えるときは、業務執行者は会社に対して分配可能額を超過した金額を支払う義務を負います。

①株式併合により1株に満たない端数が生じた場合の株式買取請求権に応じるとき

116条に規定する株式買取請求権に応じるとき

逆の視点から見ると、上記①・②以外の場合は、分配可能額を超過した金額を支払った上で株式を取得できることになります。具体的には「単元未満株式の買取請求に応じるとき(192条)」「法務省令(=会社法施行規則27条)で定める場合」です。

ちなみに無償取得もOKです。お金払いませんので。

ふと条文を見ると、単元株式数の変更に反対する株主の買取請求権に応じると支払い義務が生じますが、単元株式数の変更後に単元未満株主となった場合は、支払い義務が生じないということになりますね・・・。

会社法 剰余金の配当 その3

会社法461条~ 剰余金の配当等

 

・配当等の制限(461条)

会社の資産を配当等によって株主に対して払い出すと、会社の財産が目減りしてしまい、会社の債権者が債権を回収する機会を失いかねません。そのため、会社財産の払い出しの効力発生日における分配可能額を超える配当等を行ってはならないとされています。分配可能額の詳細な計算方法が出題されるとは思えないので、割愛しますが、ざっくり言うと「資本金に欠損が出ない範囲で払い出しても良い剰余金の限度額」です。

 

分配可能額を超えた配当等の制限がかかる会社の行為は以下の通りです。

①株主又は取得者による譲渡制限株式の譲渡を認めない場合の当該株式の買い取り。

②株主との合意による自己株式の取得のうち、子会社からの取得又は公開買付、市場からの取得の場合。

③株主に通知を行ってする自己株式の取得又は株主総会の特別決議に基づく特定株主からの自己株式の取得。

株主総会の決議に基づいて行われる全部取得事項株式を取得する場合で、対価を無償若しくは他の種類株式以外とする取得。

⑤相続又は一般承継により株式を取得した者に対する売渡請求による取得。

⑥所在不明株主の株式を競売によって取得する場合。

⑦会社の行為によって生じた1に満たない株式の買い取り。

⑧その他法令に定める場合。

 

ざっくり言うと、自己株式を取得する場合の対価の支払いが、分配可能額を超えるような場合は制限がかかります。自己株式の場合に制限されますが、自己新株予約権を取得する場合は、制限がかかりません

 

・剰余金の配当等に関する責任(462条)

461条に違反して、分配可能額を超えた分配を受けた株主及び分配を行った業務執行者(業務執行取締役又は指名委員会等設置会社の執行役、もしくはこれらに準ずる者)は、連帯して会社に帳簿価額に相当する金額を支払う義務を負います。また、分配可能額を超えた分配を行うことを株主総会に提案した取締役も業務執行者と同様の義務を負うことになります。(以下、提案した取締役と業務執行者を合わせて「業務執行者等」とします。

業務執行者等は、その職務を行うにあたり、注意を怠らなかったことを証明した場合には、支払い義務を逃れます。

業務執行者等は注意を怠らなかったことを証明したとき以外に、支払い義務を免除されることはありません。ただし、分配可能額を上限として、総株主の同意を得られた場合に限り、免除されます。総株主の同意が得られたとしても、分配可能額を超えた金額は免除されません。

会社法 剰余金の配当 その2

会社法459条~ 剰余金の配当

 

・剰余金の配当等を取締役会が決定する旨の定款の定め(459条)

本来、剰余金の配当の決定権限は株主総会ですが、株主が多数いる場合等、すべてを株主総会で決定するには、手続きが煩雑となることがあります。

そのため、以下のすべてを満たす会社の場合は、剰余金の配当に関する事項の決定を取締役会の決議とする旨を定款に定めることができます。

①会計監査人設置会社であること。

②取締役(監査等委員である取締役を除く)の任期が1年以内であること。

監査役会設置会社、監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社のいずれかあること。

④会社計算規則155条の要件を満たしていること。(詳細は割愛しますが、適正な監査が行われているという内容。)

 

・取締役会が決定できる他の事項(459条)

上記①~④を満たす会社は剰余金の配当の決定の他、取締役会が下記の事項について、決定権限を持つ旨の定款の定めをすることができます。

①株主との同意による自己株式の取得(特定の株主からの取得は株主総会の特別決議です。)

②資本金の欠損を準備金で補填する場合における準備金の減少額と効力発生日(会計書類等の承認を行う取締役会に限ります。)

③資本金、準備金に充てない場合における剰余金の処分

④剰余金の配当に関する事項(ただし、配当財産が金銭以外の場合は、金銭分配請求権を与えなければなりません。)

 

・株主の権利の制限(460条)

剰余金の配当に関する事項の決定を取締役会が行うと定款に定めた場合、株主総会にて剰余金の配当に関する事項の決定権限を与えない旨を定款に定めることができます。

上記のように株主総会の権限を制限する定款の定めをしなかった場合、取締役会と株主総会のどちらでも剰余金の配当に関する事項を決定できます。

会社法 剰余金の配当 その1

会社法453条~ 剰余金の配当

 

・株主に対する剰余金の配当(453条)

株式会社は、株主に対して剰余金の配当をすることができます。ただし、自己株式に対しては剰余金の配当をすることができません。自己株式以外は配当を受けることができるため、会社がその子会社や親会社の株式を保有していれば、それらの配当は受けることができます。

 

・剰余金の配当に関する事項の決定(454条)

会社が剰余金の配当を行う場合、その都度、株主総会の決議によって以下の事項を決定しなければなりません。

①配当する財産の種類、帳簿価額の総額(自己株式を配当することはできません。子会社株式なら可。)

②株主に対する剰余金の割り当てに関する事項

③剰余金配当の効力発生日

取締役会設置会社は、年に1回限り、取締役会の決議によって剰余金の配当(=中間配当、金銭であるものに限る。)をすることができる旨を定款に定めることができます。中間配当を行う場合も上記①~③を定める必要があります。

種類株式発行会社の場合、種類ごとに異なる配当をすることができます。それぞれの種類株式ごとに内容を決めなければなりません。

配当内容が金銭以外の財産の場合株主総会の決議によって以下の事項を定めることができます。

①株主に対して金銭配当請求権を与える場合は、その旨と請求期間

②一定の数未満の株式を保有する株主に配当割当てをしない場合は、その旨と株式数

 

・金銭配当請求権の行使(455条)

会社は剰余金の配当に際し、株主へ金銭配当請求権を与えた場合、その請求期間を20日以上とした上で通知する必要があります。

株主が金銭配当請求権を行使した場合、会社は金銭によって支払う義務があります。

株主へ交付する金銭は、配当財産が市場価格のある財産であった場合はその市場価格によって、市場価格のない財産であった場合は会社の申し立てによって裁判所が定める価額によって支払われます。

 

・基準株式数を定めた場合(456条)

金銭以外を配当するにあたり、一定の数未満の株式を保有する株主に対して配当を行わない場合、当該株主に対しては、金銭をもって配当を行わなければなりません。その金額の決定は455条による配当財産の価額の決定方法によります。

 

・配当財産の交付(457条)

配当財産(株主の請求により金銭配当を行う場合も含む)は株主名簿上の株主の住所又は株主の指定する場所にて引き渡されます。引き渡しに係る費用は会社の負担ですが、株主の責めに帰す事由により、負担額が増えた場合は、増えた分は株主の負担です。

 

・適用除外(458条)

純資産が300万円未満の会社は剰余金の配当の適用が除外されます。(配当しなくていいことになります。)

会社法 資本金の額等 その4

会社法450条~ 資本金等の額の増加

 

・資本金、準備金の額の増加(450条・451条)

会社は剰余金を減少して、資本金又は準備金の額を増加することができます。ただし、剰余金の額をマイナスにすることはできません。

資本金、準備金の額の増加にあたっては、株主総会の決議(普通決議で可)によって、以下の事項を定める必要があります。

①減少する剰余金の額

②資本金又は準備金の額が増加する効力発生日