不動産登記法 メモ

不動産登記法 登記原因証明情報の提供が不要な場合

 

①契約の日から10年を経過した後に登記権利者が単独でする買戻特約の登記の抹消の申請

②所有権保存の登記の申請(敷地権付き区分建物を表題所有者から所有権を取得する場合を除く)

③所有権についてした処分禁止の仮処分の登記に後れる登記の抹消の申請

④所有権以外の権利についてした処分禁止の仮処分の登記に後れる登記の抹消の申請

⑤処分禁止の登記と共にした保全仮登記に後れる登記の抹消の申請

⑥所有権の登記についての海外在住日本人の国内連絡先事項の変更・更正の登記の申請

⑦混同を登記原因とする権利に関する登記の抹消を申請する場合で、混同によって当該権利が消滅したことが登記記録上明らかな場合

 

※注

③本来すべきであった本登記と処分禁止の登記に後れる登記の抹消を同時に申請する場合に限り、処分禁止の登記に後れる登記を抹消できます。(この場合、処分禁止の仮処分の登記は、登記官による職権で抹消されます。)

不動産登記法 メモ

不動産登記法 農地法所定の許可の要否

・不要な場合

相続

遺産分割

共同相続人間での相続分の贈与、譲渡

相続人に対する特定遺贈、包括遺贈

相続人以外に対する包括遺贈(特定遺贈の場合は許可が必要)

時効取得

持分放棄

仮登記

財産分与(財産分与協議は裁判所を介さないため、財産分与協議の場合は必要。財産分与は、裁判や調停を通して行われる。)

判決及び判決に準ずるもの(調停、和解、審判など)

収用(行政が介入しているため)

権利能力なき社団の代表者の変更に伴う委任の終了(権利の主体は権利能力なき社団であるため、事実上なんら権利変動が生じていないため)

抵当権の設定

 

・必要な場合(忘れがちなもののみ)

買戻権の公使(買戻権を行使するという意思表示が介在するため)

死因贈与(贈与には意思表示が介在するため)

財産分与協議(上記参照)

地役権の設定(例え土地の一部のみに設定する場合でも許可が必要)

真正な登記名義の回復(従前の所有者へ所有権を戻す場合は不要、また、相続人間の真正な登記名義の回復や遺産分割が介している場合も不要。)

賃借権、地上権(一部の場合も含む)、永小作権、質権(使用収益をする場合のみ)

農地売買の買主が農地法所定の許可が下りる前に死亡した場合(買主の相続人へ農地の登記を移転する場合、買主に対する許可は無効となるため、買主の相続人と売主で新たに契約をし直す必要がある。)

 

・保留

競売による所有権移転

→競売参加の時点で農業委員会がその適格を審査しているため不要との見方もあるようですが、宅建士試験では必要となっていました。

競売参加時点で農業委員会の買受適格証明書が必要で、競落後に執行裁判所から最高価買受人証明書をもらって、最終的に農業委員会へ所有権移転の許可書の発行を受けてから登記と言う流れのようです。ただし、農業委員会によって対応が違うとの記載を発見してしまいました…。

担保権の実行後、競落人が所有者(物上保証人。債務者は競落不可。)であった場合は、間違いなく農地法所定の許可は不要です。

 

他にももっとあるかもしれません。

登記義務 メモ

住所変更登記義務の発生(不動産登記、商業登記共通)

 

・転居(引っ越し)

住所変更登記が必要。

 

町名や地番の変更を伴う行政区画の変更

住所変更登記が必要。市町村から変更証明書を発行してもらえば登録免許税は無料

市町村が合併して町名や番地まで変わった場合など。

ex)A市B町1番地→B市C町1番1号

ex)A市B町1番1号→A市B町3番5号

 

町名や地番の変更を伴わない行政区画の変更

登記申請不要。

市町村が合併して名前のみ変更になった場合など。

ex)A市B町1番地→C市B町1番地

 

・住所表示の実施

住所変更登記が必要。市町村から変更証明書を発行してもらえば登録免許税は無料

ex)A市B町1番地→A市B町1番1号

 

・不動産の所有者が死亡している場合(不動産登記のみ)

住所変更の登記申請は不要。相続登記は必要。

被相続人の住民票や戸籍の附票等、被相続人が最後の住所に至るまでの証明書があれば、住所変更登記をしていなくても相続登記を行うことができます。

会社法メモ

会社法 募集株式の発行

 

・公開会社

募集事項決定決議:取締役会

例外規定:譲渡制限付種類株式の場合は、取締役会決議に加えて種類株主総会特別決議(定款規定により決議不要とすることは可能。)

 

発行決議を取締役会で行った場合は、払込期日の2週間前までに株主へ通知又は公告が必要。(株主総会で発行決議を行った場合は、すでに株主は株式発行を知っているため、通知は不要。)

 

割当決議:不要

例外規定:譲渡制限付株式の場合は、取締役会決議(定款で別段の定め可能。)

 

 

・非公開会社

募集事項決定決議:株主総会特別決議(取締役会設置会社の場合は、取締役会決議)

例外規定:株主総会特別決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社においては取締役会)へ委任することが可能

例外規定:株主割当の場合は、定款の定めによって取締役(取締役会設置会社においては取締役会)とすることが可能。

 

発行決議を取締役会で行った場合は、払込期日の2週間前までに株主へ通知又は公告が必要。(株主総会で発行決議を行った場合は通知不要。)

 

割当決議:株主総会特別決議(取締役会設置会社の場合は取締役会決議。定款で別段の定め可能。)

 

・総引受契約

募集事項決定決議と株式引受け申込みの省略が可能。

ただし、譲渡制限株式の総引受契約の場合に限り、株主総会特別決議(取締役会設置会社の場合は取締役会決議)が必要。また、総引受契約を取締役会決議で決定した場合は、別途株主への通知が必要。(株主が総引受契約を行ったことを知らないため。)

民法メモ 契約

民法 典型契約・非典型契約

 

・典型契約

贈与~当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思表示をし、相手方が受諾をすることで成立する。(549条・諾成契約)

売買~当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がそれに代金を支払うことを約することでその効力を生ずる。(555条・諾成契約)

交換~当事者が互いに金銭の所有権以外の財産権を移転することを約することによって、その効力を生ずる。(586条・売買の規定が準用される・諾成契約)

消費貸借~当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。(587条・要物契約要物契約は書面で行わない消費貸借のみ

④’書面でする消費貸借書面で行った場合に限り諾成契約

使用貸借~当事者の一方がある物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物について無償で使用及び収益をして契約が終了したときに返還をすることを約することによって、その効力を生ずる。(593条・諾成契約)

賃貸借~当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約することにって、その効力を生ずる。(601条・諾成契約・ただし、借地借家法等が適用される場合が多い。)

雇用~当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって、その効力を生ずる。(623条・諾成契約・ただし、ほぼ間違いなく労働法が適用される。)

請負~当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。(632条・諾成契約)

委任~当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。(643条・諾成契約)

寄託~当事者の一方がある物を保管することを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。(657条・諾成契約)

組合~各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約することによって、その効力を生ずる。(667条・諾成契約)

終身定期金~当事者の一方が、自己、相手方又は第三者の死亡に至るまで、定期に金銭その他の物を相手方又は第三者に給付することを約することによって、その効力を生ずる。(689条・諾成契約・現在ではほぼ使われていない。)

和解~当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる。(695条・諾成契約)

 

・非典型契約

上記13の契約以外はすべて非典型契約です。非典型契約は、諾成契約となります。

会社法メモ 剰余金の処分と配当

会社法 剰余金の処分

 

・剰余金

剰余金は「資本剰余金」と「利益剰余金」に分けられます。

さらに資本剰余金は「資本準備金」「その他資本剰余金」に、利益剰余金は「利益準備金」「その他利益剰余金」に分けられます。会社によっては、その他利益剰余金の中に「任意積立金」名目や「繰越利益剰余金」名目の項目を作っている場合もあります。

 

剰余金の中で「資本準備金」「利益準備金」として計上されているものについては、法定準備金であるため、これらを直接配当することはできません。→処分方法については、前項参照

「その他資本剰余金」「その他利益剰余金」については、配当を含む処分をすることができます。

 

剰余金の処分には、原則株主総会の決議が必要です。剰余金を資本金又は準備金へ組み込む場合は、取締役会の決議によることはできず、必ず株主総会(定時・臨時含む)の普通決議が必要です。

ただし、一定の条件を満たす会社が剰余金を配当する場合、取締役会の決議によって、剰余金の配当を行うことができます。なお、年1回行う中間配当に限り、下記条件を満たさなくても、定款の定めがあれば、取締役会の決議によって行うことができます。

①会計監査人設置会社であること

②取締役(監査等委員である取締役を除く)の任期が1年以内であること

監査役会、監査等委員会、指名委員会等設置会社のいずれかであること

 

上記①~③を満たし、現物配当を行う場合であって、かつ、株主に金銭配当請求権を与えるときには、取締役会の決議によって配当の決定をすることができます。ただし、金銭配当請求権を与えない場合は、株主総会の特別決議が必要になります。