会社法 剰余金の処分
・剰余金
剰余金は「資本剰余金」と「利益剰余金」に分けられます。
さらに資本剰余金は「資本準備金」「その他資本剰余金」に、利益剰余金は「利益準備金」「その他利益剰余金」に分けられます。会社によっては、その他利益剰余金の中に「任意積立金」名目や「繰越利益剰余金」名目の項目を作っている場合もあります。
剰余金の中で「資本準備金」「利益準備金」として計上されているものについては、法定準備金であるため、これらを直接配当することはできません。→処分方法については、前項参照。
「その他資本剰余金」「その他利益剰余金」については、配当を含む処分をすることができます。
剰余金の処分には、原則株主総会の決議が必要です。剰余金を資本金又は準備金へ組み込む場合は、取締役会の決議によることはできず、必ず株主総会(定時・臨時含む)の普通決議が必要です。
ただし、一定の条件を満たす会社が剰余金を配当する場合、取締役会の決議によって、剰余金の配当を行うことができます。なお、年1回行う中間配当に限り、下記条件を満たさなくても、定款の定めがあれば、取締役会の決議によって行うことができます。
①会計監査人設置会社であること
②取締役(監査等委員である取締役を除く)の任期が1年以内であること
③監査役会、監査等委員会、指名委員会等設置会社のいずれかであること
上記①~③を満たし、現物配当を行う場合であって、かつ、株主に金銭配当請求権を与えるときには、取締役会の決議によって配当の決定をすることができます。ただし、金銭配当請求権を与えない場合は、株主総会の特別決議が必要になります。