会社法 役員の選任、解任 その5

会社法 341条~ 選任、解任に係る手続き等

 

・役員の選任、解任に係る株主総会の決議(341条)

役員の選任解任に係る株主総会の決議は、「議決権を行使できる株主の過半数が出席し(定款の定めにより3分の1以上とすることが可能)、出席した株主の議決権の過半数(定款の定めによりそれ以上とすることが可)によって行われます。(特殊普通決議

監査役の解任のみ特別決議が必要です。

参考として、通常の株主総会の決議は「定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使できる株主の過半数の出席し、当該株主の議決権の過半数をもって行う」とされており、定款に定めることで出席要件(議決権を行使できる株主の過半数の出席)を排除することができます。

 

・累積投票による取締役の解任(342条)

株式総会の目的が2名以上の取締役の選任であった場合、株主は累積投票による取締役の選任を請求することができます。この請求は株主総会の5日前に行う必要があります。この請求は保有株式数や期間などの要件がないため、1株でも保有していれば請求ができます。

累積投票が認められた場合、株主は議決権1つにつき、選任する取締役の人数と同数の議決権(投票権)を得ることになります。累積投票では、投票結果の上位者が順次選任されることとなります。累積投票で選任できるのは、取締役のみであり、他の役員等は通常の投票により選任されます。

ex)選任する取締役が3名だった場合、議決権1つ=投票権3つ

なお、累積投票で選任された取締役の解任は株主総会の特別決議によります。

 

・監査等委員の意見陳述権(342条の2)

監査等委員である取締役は、株主総会において、監査等委員である取締役の選任、解任、辞職に対し、意見を述べることができます。監査等委員会の代表者として意見陳述を行う場合も同様です。

同じように、辞任した監査等委員である取締役も、辞任した後の最初の株主総会で辞任した理由を述べることができます。