会社法 取締役 その5

会社法358条~ 業務執行の検査等

 

・業務執行の検査役と株主総会での報告(358条・359条)

会社の業務の執行に関し、不正行為又は法令・定款に違反するような重大な疑いが生じた場合、株主は検査役の選任を裁判所へ申し立てることができます。

①総株主の議決権の100分の3以上を保有する株主(議決権制限株式を除く)

②発行済株式の100分の3以上を保有する株主

申し立てを行うにあたり、上記のいずれかを満たす必要があります。申し立てを受けた裁判所は、不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければなりません。

必要であるときは、子会社の業務、財産状況も調査ができます。さらにその報告内容を明確にする必要があると認められる場合は、第二の検査役によって調査をさせることができます。

検査役により報告された検査結果について、裁判所が必要と判断した場合、裁判所は取締役に対して「株主総会の招集」と「株主総会での報告」を命じることができます。

裁判所から株主総会の招集と報告を命じられた場合、当然に取締役(監査役がいる場合は、取締役と監査役)は株主総会での報告を行わなければなりません。

 

・株主による取締役の行為の差し止め(360条)

取締役が会社の目的外、法令・定款違反の行為を行う又は行おうとしている場合において、その行為が会社に対して「著しい損害」を与える恐れのあるときは、6か月以上株式を保有している株主(非公開会社の場合は、期間要件なし=0か月でOK)は、当該行為をやめることを請求することができます。

監査役設置会社監査役会、監査等委員会、監査委員会を含む)の場合、上記の行為が「回復することができない損害」である場合に差止請求ができます。