会社法 取締役 その2

会社法349条~ 代表取締役

 

・株式会社の代表(349条)

取締役は株式会社を代表しますが、代表取締役を置いた場合は、代表取締役が会社の代表となります。代表取締役は、定款によって又は取締役の互選、もしくは株主総会の決議によって、取締役の中から定められます。代表取締役は、会社の業務に関する包括的な代表権限を有します。会社を代表して裁判をすることもできます。

取締役が複数名いる会社において、代表取締役が定められていない場合は、取締役各自が会社を代表します。代表取締役を定めた場合、その他の取締役は代表権を失います。

代表取締役の代表権に一定の制限を加えることができます。ただし、代表権の制限があることについて、善意の第三者に対しては、対抗することができません。

ex)「5億円以上の契約は取締役会の承認を得なければならない」と代表権の制限がある場合において、取締役会の承認を得ていない代表取締役が6億円の契約を取り交わしたとしても、相手方が代表権の制限を知らなければ、契約は有効となります。

 

・代表者の行為の損害賠償責任(350条)

会社を代表する者が職務を行うにあたって第三者に損害を与えた場合、当該会社がその損害賠償責任を負います。

 

代表取締役に欠員が生じた場合(351条)

代表取締役を辞職又は任期満了により退任するにあたり、代表取締役の職に就くべき者が欠員となる場合は、次の代表取締役が見つかるまでの間、退任する代表取締役はなおその権利義務を有することとなります。(定款に定められた人数を割る場合のみです。)

利害関係人の申し立てにより、裁判所は一時代表取締役の選任と報酬額を決定することができます。一時代表取締役が選任されれば、前代表取締役は退任することができます。一時(代表)取締役は、仮(代表)取締役として、裁判所の嘱託にて登記されます。