会社法410条~ 指名委員会等設置会社の運営
・指名委員会等の招集(410条・411条)
指名委員会等の招集は、当該委員会の各委員が行います。
執行役は、指名委員会等の要求があった場合は、当該指名委員会等へ出席し、要求された事項に関して、説明をしなければなりません。
・取締役の権限(415条)
指名委員会等設置会社の取締役は会社法に別段の定めがある場合以外は、業務の執行をすることができません。業務の執行は執行役又は業務執行取締役が行うためです。
・取締役会の権限(416条)
指名委員会等設置会社は取締役会が必置となっていますが、取締役会が行う業務は以下の通りです。
①経営の基本方針の決定
②監査委員会の職務執行のために必要な事項の決定
③執行役が2名以上いる場合における執行役の業務分担や執行役相互の関係の決定
④執行役から取締役会の招集の請求を受ける取締役の決定
⑤執行役の業務が法令・定款に適合するためおよび子会社・その他企業集団が適正に業務を遂行するための体制整備
⑥執行役の業務執行の監督
上記①~⑥に掲げる事項は執行役に委任することはできません。
・執行役への委任(416条)
取締役会は会社の業務執行の決定を執行役に委任することができます。ただし、以下に掲げる事項はいかなる場合でも取締役会の決議によって決定しなければなりません。(執行役へ委任ができない事項)
①譲渡制限株式・新株予約権の譲渡の承認の可否
②市場取引等によって自社株を取得する場合の取得事項の決定
③株主総会の招集事項の決定、提出議案の決定
④取締役の競業取引・利益相反取引の承認の可否
⑤執行役と会社の利益相反行為が発生する場合における会社の業務執行の社外取締役への委託の決定
⑥取締役会を招集する取締役の決定
⑦指名委員会等の委員の選定・解職
⑧執行役の選任・解任
⑨監査委員と会社の訴訟になる際の会社を代表する者の決定
⑩代表執行役の選任・解職
⑪役員等が任務を怠った場合における損害賠償の免除
⑫計算書類等の承認
⑬補償契約、役員等賠償責任保険契約の内容の決定
⑭余剰金の中間配当に関する配当事項の決定
⑮事業の全部譲渡、事業の重要な一部譲渡に係る契約内容の決定(株主総会の決議が不要なものを除く)