民事訴訟法 管轄 その1

民事訴訟法4条~ 管轄

 

・普通裁判籍による管轄(4条)

民事訴訟上の普通裁判籍による管轄は、その訴えの内容を問わず、被告の住所により決定されます。つまり、民事裁判で訴えたい相手の住所・居所によって、どこの裁判所が担当するか決まります。

普通裁判籍による管轄は、まず被告の住所です。国内に住所がない又は住所が不明な場合は、被告の居所(今いる場所)になります。国内に居所がなく、現在の居所もわからない場合は、最後の住所になります。最後の住所もわからない場合は…どうすればいいんでしょうね。

①被告の住所がある→住所地

②被告の住所がない、わからない→居所

③被告の居所がない、わからない→最後の住所

 

・訴訟の目的の価額の算定(8条)

基本的には裁判で全面勝訴した場合に得られる利益(=訴額)によって、管轄が決まります。第一審は、地方裁判所簡易裁判所です。140万円を超える場合は、地方裁判所です。

訴額が算定不能又は著しく困難な場合は、140万円を超えるものとして扱われます。

 

・併合請求の場合の価額の算定(9条)

1つの訴えで複数の請求をする場合は、訴額は合算します。ただし、それらの目的が共通である場合は、合算しません。

ex)100万円の自動車について、自動車の引き渡し又は価額分の損害賠償を請求する場合、訴えは同一の目的物(自動車)にあたるため、最大100万円が訴額になります。

元本があるものが訴えの目的である場合、その果実、利息、損害賠償、違約金などは合算しません。

ex)100万円の貸金の返還請求の訴えを行う場合において、利息や遅延損害金は訴額に含みません。100万円が訴額になります。