民事保全法 保全命令に関する手続き その1

民事保全法11条~ 保全命令

 

保全命令事件の管轄(11条)

保全命令の申立ては、国内の裁判所に訴えを提起できる事件であるとき又は仮差押えの目的物が国内にあるときに限られます。

 

保全命令事件の管轄(12条)

保全命令事件の管轄は、本案の管轄裁判所又は仮差押えの目的物の所在地を管轄する裁判所が管轄します。

 

・申立て及び疎明(13条)

保全命令の申立ては、その趣旨、保全すべき権利、保全の必要性を明らかにして行います。

保全すべき権利及び保全の必要性の疎明をしなければなりません。いかなる理由があったとしても、疎明を免れることはありません。

疎明するということは、その証拠を即座に取り調べられる内容でなければなりません。(民保7条=民訴188条)

 

保全命令の担保(14条)

保全命令を出すにあたり、裁判所は担保を立てること又は立てないことを命じることができます。また、一定の期間内に担保を立てさせることを保全執行の条件とすることもできます。

担保は、担保を立てさせることを命じた裁判所又は保全執行裁判所の管轄区域内の供託所へ供託しますが、困難な事由があるときは、裁判所の許可を得て債権者の住所地や裁判所が相当と認める供託所に供託することができます。

 

・裁判長の権限(15条)

保全命令は、急迫の理由がある場合に限り、裁判長が発することができます。

 

・決定の理由(16条)

保全命令の可否の決定には、理由を付さなければなりません。ただし、口頭弁論を経ないで決定する場合は、理由の要旨を示せば足ります。

 

・送達(17条)

保全命令は、当事者に送達しなければなりません。申し立てた債権者はもちろん、債務者に対しても送達がされます。

 

保全命令の申立ての取下げ(18条)

保全命令の申立てを取り下げる際は、いかなる場合であっても債務者の同意は必要ありません。

 

・却下の裁判に対する即時抗告(19条)

保全命令の申立てを却下する裁判に対する即時抗告は、告知を受けた日から2週間以内です。(民訴法では1週間以内であることに注意!)