供託法 供託受入手続き その1

供託法 供託受入れ手続き

 

・供託とは

そもそも供託とはなんぞやというところについて、つらつらと残しておこうと思います。

一番シンプルなのは、弁済供託です。債務者が債権者に対して弁済をするという行為ですね。しかし、債務者が弁済をしたくても、債権者が行方不明になっているという状況である場合、どのように弁済すればよいのでしょうか。債権者を探している間に、債務の弁済期が過ぎ、利息や遅延損害金が上乗せされてしまいます。

こういった場合に弁済金を供託することで、弁済したものとみなされます。

 

・供託者の当事者適格

供託を行う人を供託者、供託を受ける人を被供託者といいます。

供託者は、当然供託を行うことができる立場の人に限られます。また、行為制限能力者は、供託を行うことができません。ただし、被保佐人、被補助人は可能です。また、営業の許可を得た未成年者がその営業のために行う場合も可能です。

三者による供託も認められています。弁済供託であれば、物上保証人や連帯保証人など、利害関係人は供託することが認められています。ただし、第三者弁済を認めない契約が成立している場合は不可能です。

ex)建物の賃貸人が債務者であった場合の賃借人が賃貸人に代わって弁済供託をする。

 

営業保証供託は、社会的信用を担保するためのものなので、第三者は供託ができません。

 

選挙供託は、供託者となる人が所属する政党など、第三者による供託ができます。

 

執行供託は、第三債務者が債権を差し押さえられた場合にその債権の全額に相当する金額を供託すること、又は重複して差し押さえられた場合に債権の全額に相当する金額を供託することです。重複差押えを受けた第三債務者には、供託の義務が生じます。執行供託は、第三債務者が行うべきものなので、第三者が行うことはできません(ややこしい)。ちなみに執行供託されたお金は、配当時に債権者等へ分配されます。

 

裁判上の保証供託は第三者が行うことができます。裁判費用の供託がこれにあたります。裁判所の許可があれば、又は裁判所の許可がなくても可能です。

 

保全命令の担保供託は、裁判所の許可があれば第三者も行うことができます。保全命令は「権利関係は確実ではないけど、とりあえず債務者の資産を仮差押えする」という場合に出されるものなので、その担保として供託が必要になります。

 

仮差押解放金の供託は第三者が行うことはできません。仮に第三者が供託を行った場合、仮差押債権者の仮差押えの効力は仮差押債務者とは全く無関係な第三者の供託資産上に移動してしまうことになり、無関係の第三者の資産を仮差押えするという意味不明な状態になってしまうためです。