刑法 盗品等に関する罪

刑法256条~ 盗品等に関する罪

 

・盗品譲受け等(256条)

盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、3年以下の懲役に処します。

上記に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、10年以下の懲役及び50万円以下の罰金に処します。

 

・盗品譲受けと即時取得(256条)

盗品であると知りながら、それを有償無償を問わず譲り受けた場合は、盗品譲受け等の罪が成立します。しかし、第三者が善意無過失に盗品を取得した場合は、即時取得民法192条)の規定が適用され、第三者(譲受人)は直ちに盗品について行使する権利を得ます。第三者の保護が優先される、ということです。

ex)AがBが所有する動産甲を窃盗した後、その事情につき善意無過失のCに動産甲を売却した場合、Cは即時取得の規定により、完全に動産甲の所有権を取得します。

即時取得した時点で、被害者(上記のB)は、盗品(動産甲)に対する追求権を完全に失い、即時取得以降は、盗品譲受け等の罪は成立しません。しかし、これでは被害者があまりにも気の毒です。

そこで民法193条では、被害者(遺失者)は占有者に対して盗難(遺失)のときから2年間は、盗品(遺失物)の回復を請求できるとしています。あくまで回復請求権であって、追求権ではない点に注意です。ちなみに占有者(即時取得者)が市場等から購入によって即時取得した場合は、被害者はその対価を支払わなければ回復請求をすることができません。(民法194条)