刑法

刑法 盗品等に関する罪

刑法256条~ 盗品等に関する罪 ・盗品譲受け等(256条) 盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、3年以下の懲役に処します。 上記に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあ…

刑法 横領の罪

刑法252条~ 横領 ・横領(252条) 自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処します。自己の物であっても、公務所から保管を命ぜられた場合において、これを横領した者も同じです。 横領罪には、未遂犯の規定がないため、領得行為が行われた…

刑法 詐欺及び恐喝の罪 その2

刑法249条~ 恐喝 ・恐喝(249条) 人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処します。恐喝により、財産上の不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同じです。 ・解説(249条) どの程度の行為が恐喝行為を構成するかは、「恐喝罪を構…

刑法 詐欺及び恐喝の罪 その1

刑法246条~ 詐欺 ・詐欺(246条) 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処します。人を欺いて財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も同様です。 詐欺の成立には、以下の4点のすべてが満たされる必要があります。 ①欺罔行為 ②相手…

刑法 窃盗及び強盗の罪 その3

刑法 238条~ 事後強盗・強盗致死傷 ・事後強盗(238条) 窃盗の後、財物を取り返されることを防ぐため、逮捕を免れるため又は罪跡を隠滅するために暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論じます。 ・判例(238条) 窃盗犯人が他人の住居に侵入し、財物を窃…

刑法 窃盗及び強盗の罪 その2

刑法236条~ 強盗 ・強盗(236条) 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処します。同じ方法を用いて、財産上の不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も同様です。 強盗罪の成立には、社会通念上、被害者…

刑法 窃盗及び強盗の罪 その1

刑法235条~ 窃盗 ・窃盗(235条) 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処します。 窃盗罪の構成要件は、以下の3点であり、1つでも欠ければ窃盗罪を構成しません。 ①他人の占有する財物であること ②不法領得の意思…

刑法 偽証の罪

刑法169条 偽証 ・偽証(169条) 法律により宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、3か月以上10年以下の懲役に処します。 虚偽の陳述をした本人が「虚偽である」と認識していれば成立します。故に本人が故意に記憶に反する陳述をした場合であって、その内容…

刑法 文書偽造の罪

刑法154条~ 文書偽造 ・文書偽造 文書偽造は、有形偽造と無形偽造に分けられます。 有形偽造は、作成権限のない者が他者の名義で文書を作成することです。それに対し、無形偽造は、作成権限のある者が虚偽内容の文書を作成することです。 公文書の無形偽造…

刑法 住居を侵す罪

刑法130条 住居、建造物侵入・不退去 ・住居侵入等(130条) 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰…

刑法 放火及び失火の罪

刑法108条~ 放火及び失火 ・現住建造物等放火(108条) 現に人が居住に使用し、又は現に人がいる建造物、汽車、電車、船舶又は鉱坑に放火し、焼損させた者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処されます。 放火罪は、目的建造物に火を放ち、火が媒介物…

刑法 犯人蔵匿及び証拠隠滅

刑法103条~ 犯人蔵匿・証拠隠滅 ・犯人蔵匿等(103条) 罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処されます。 「罪を犯した者」には、犯罪の嫌疑によって捜査中の者も含…

刑法 共犯 その2

刑法61条~ 教唆・幇助 ・教唆(61条) 人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の罪を科します。教唆者を教唆した者についても同様です。 「教唆者が被教唆者に対して教唆をし、被教唆者が犯罪の実行を決意し、それを実行する。」という一連の流れが必要…

刑法 共犯 その1

刑法60条~ 共同正犯 ・共同正犯(60条) 2人以上が共同して犯罪を実行した場合、それらの者は共同正犯として、すべて正犯(=実行しなかった行為から生じた結果についても、刑事責任を問われる)とします。 共同正犯の成立要件は「共同して犯罪を実行した」…

刑法 併合罪

刑法45条~ 併合罪 ・併合罪(45条) 同一人物が犯した、まだ確定判決を受けていない2個以上の罪は併合罪となります。ただし、ある罪が禁錮以上の確定判決を受けた場合、その罪とその裁判が確定する前に犯した罪に限り、併合されます。 確定判決を受けた後に…

刑法 未遂罪

会社法43条~ 未遂罪 ・未遂減免(43条) 犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった場合、刑を軽減されます。 自己の意思によって犯罪を中止したときは、刑の軽減又は免除されます。 未遂罪は「未遂」「中止未遂」「不能犯」の3パターンを覚えておけばなんと…

刑法 犯罪の不成立及び刑の減免 その4

刑法39条~ 責任能力・自首等 ・心神喪失及び心身耗弱(39条) 心神喪失者の行為は、罰されません。心身耗弱者の行為は、その刑を軽減します。 ・判例(39条) 多量に飲酒すると病的酩酊に陥り、他者に犯罪的被害を与えると自認する者は、普段から飲酒を抑止…

刑法 犯罪の不成立及び刑の減免 その3

刑法37条~ 故意 ・緊急避難(37条) 自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるためにやむを得ず他人の権利を侵害した場合は罰されません。ただし、避難目的の程度を超えるような場合は、情状により、刑の軽減又は免除がされます。…

刑法 犯罪の不成立及び刑の減免 その2

刑法35条~ 正当行為・正当防衛 ・正当行為(35条) 法令又は正当な業務による行為は罰されません。 正当行為が成立するためには、社会的妥当性、相当性が必要です。被害者が加害者による行為に同意をしていたとしても、犯罪行為をする目的でした行為は正当…

刑法 犯罪の不成立及び刑の減免 その1

刑法(判例) 不作為犯・因果関係・違法性 ・不作為犯 自己の過失により失火した者が、そのまま放置すれば他の建物に燃え移ることを認識していた場合は、これを消火する義務を負います。しかし、自己の過失の発覚を恐れてあえてこれを放置し、他の建物を焼失…

刑法 刑の執行猶予

刑法25条~ 刑の執行猶予 ・刑の全部の執行猶予(25条) 執行猶予が付くのは「3年以下の懲役又は禁錮」「50万円以下の罰金」です。これ以上重い刑の場合は、執行猶予は付きません。猶予される期間は、1年~5年の範囲です。 執行猶予を受けられるのは、「禁錮…

刑法 通則

刑法1条~ 通則 ・国内犯(1条) 刑法は、国内で罪を犯したすべての人に適用されます。国外にある日本国籍船舶及び航空機内も国内扱いです。 ・すべての者の国外犯(2条) 国外で刑法に規定する罪を犯した場合でも、日本国刑法が適用される場合があります。…