会社法 株式総則 その5
会社法120条 株主の権利の行使に関する利益の供与
・株主の権利行使に対する利益の供与の禁止
会社は株主の権利の行使に対して利益を供与してはいけません。
ex)議決権の行使に関し、賛成者にのみ金銭を供与する。
さすがにここまで露骨なことを大っぴらにすることはないと思いますが・・・。かなり昔のニュースにあった総会屋に対し「大人しく賛成してください」という名目で金銭を供与する、ということは考えられると思います。
利益の供与を受けた者(株主)はその全額を会社へ返還しなければいけません。
なお、会社が株主に対して供与した金銭等について、権利の行使に対する利益供与ではないと主張したとしても、その供与が無償の利益、又は著しく平等性に欠ける有償の利益であれば、権利行使に対する利益供与であると推定されます。
ex)無償の利益の供与ではないが、コンサルタント料や口止め料等名目での金銭の授受。
取締役が利益の供与を行った場合は、当該取締役と利益を受けた者が連帯して全額会社へ返還する義務を負います。(反対給付がある場合は、その返還請求ができます。)
利益を供与した者がその職務を行うにあたり、注意を怠らなかったことを証明すれば、責任は免除となりますが、利益を供与した取締役本人は免責にはなりません。
なお、供与を受けた利益の返還義務は総株主の同意があった場合に限り、免除することができます。