会社法 持分会社の計算等 その4

会社法628条~ 合同会社の計算等の特則

 

合同会社は、利益額を超えて配当を行うことはできません。

合名会社、合資会社であれば、無限責任社員がいますが、合同会社には、有限責任社員しかいないため、利益額を超えた配当を行うと債権者の利益を害するおそれがあるからです。

 

・利益の配当の制限(628条)

合同会社は社員に対して、利益額を超える配当を行うことはできません。社員が利益額を超える配当を請求した場合はそれを拒むことができます。

 

・利益の配当に関する責任(629条)

合同会社が社員に対して利益額を超える配当を行ってしまった場合、その業務を執行した社員と配当を受けた社員は連帯して、会社に損害賠償を支払う義務を負います。

ただし、以下の場合は免責となります。

①業務を行うにあたり、注意を怠らなかった場合。…業務執行社員について免責。

②総社員の同意があった場合…利益額を限度として免責。

 

・社員に対する求償権の制限等(630条)

合同会社が社員に対して利益額を超える配当を行ってしまった場合、配当を受けた社員が利益額を超えることについて、善意であった場合は、配当を行った社員からの求償権に応じる必要はありません。(会社に対して損害賠償を支払う義務が免除されます。)

ただし、合同会社の債権者は配当を受けた社員に対し、債権額を限度として配当額に相当する金額を支払わせることができます。

 

・欠損が生じた場合の責任(631条)

合同会社は社員に対して配当を行った場合、配当を行った事業年度末に資本金の欠損が生じてしまった場合、利益の配当業務を執行した社員と配当を受けた社員は連帯して、欠損額を会社に対して損害賠償を支払う義務を負います。執行した社員は、注意を怠らなかったことを証明した場合は、免責です。

上記の欠損が生じた場合、総社員の同意があれば、免責となります。