民事訴訟法 口頭弁論及びその準備 その4

民事訴訟法161条~ 準備書面

 

準備書面(161条)

口頭弁論は、原則口頭にて行いますが、法廷という密室内にて口頭のみでの裁判では、「言った」「言わない」と水掛け論になりかねません。

そこで、弁論主義とは言いつつ、口頭弁論は、書面で準備することになっています。これを準備書面といいます。原告でも被告でも準備書面と言われます。

ただし、簡易裁判所で行われる審理については、準備書面を用意することを要しません。簡易裁判所では、スピードが重視されるためです。

準備書面には「攻撃及び防御の方法」「相手方の請求及び攻撃又は防御の方法に対する陳述」を記載します。

相手方が在廷していない口頭弁論においては、相手方が受け取った準備書面に記載された事実以外を主張することができません。これは、本来準備書面に記載された事実のみ審理されるものと信じて欠席した人にとって、準備書面記載事項以外の事実が主張されてしまうと、受領した準備書面がその意味を失ってしまうためです。

 

準備書面等の提出期間(162条)

裁判長は、準備書面答弁書の提出及び特定の事項に関する証拠の申出をすべき時期を定めることができます。つまりは「書類や証拠はいついつまでに出しなさい」と決めるということですね。

 

・当事者照会(163条)

当事者は、訴訟の係争中、相手方に対し、主張又は立証を準備するために必要な事項について、相当の期間を定めて書面で回答するよう照会することができます。この照会は、書面で行わなければなりません。なお、以下の事項については、照会を求めることができません。

①具体的、個別的ではない照会

②相手方を侮辱し、又は困惑させる照会

③すでに照会した内容と重複する照会

④意見を求める照会

⑤相手方が回答するのに、不相当な費用又は時間を要する照会

⑥法の定めにより拒絶できる事項と同様の内容の照会