民事訴訟法 口頭弁論及びその準備 その1

民事訴訟法148条~ 口頭弁論

 

・裁判長の訴訟指揮権(148条)

当然ではありますが、裁判は裁判長が取り仕切ります。当然、口頭弁論も裁判長の指揮下にて、行われます。

裁判長は、発言を許し、又は命令に従わない者の発言を禁ずることができます。

 

・釈明権

そもそも、釈明権とは何かという点ですが・・・。

釈明権は、裁判所が持つ権限です。裁判長は、事件の真相を明瞭にするために、当事者に対して質問をし、陳述又は立証させることができます。この権限を釈明権といいます。

若干極端な話ではありますが、裁判の当事者(原告、被告)が自分の主張ばっかりして、裁判がスムーズに進まない場合に裁判長が当事者に対して陳述や立証をさせることで、裁判の論点が明確になり、裁判が進行しやすくなります。

弁論主義では、裁判上の攻撃防御手段は当事者に委ねられますが、裁判所に釈明権があることで、裁判の進行を補完することができます。(釈明権の補完的役割)

 

・釈明権等(149条)

裁判長は、口頭弁論の期日又は期日外において、訴訟関係を明瞭にするために、事実上又は法律上の事項に関して、当事者に対して質問し、又は立証を促すことができます。

当事者は、口頭弁論の期日又は期日外において、裁判長に対して必要な発問を求めることができます。つまり、当事者は裁判長へ「相手方に対して質問をしてください!」と求めることができます。(釈明権の行使を求めること=求釈明

 

・訴訟指揮等に対する異議(150条)

当事者は、口頭弁論の指揮に関する裁判長の命令、又は裁判長の釈明権の行使に対し、異議を述べることができます。異議があった場合、裁判所は決定でその異議に対する裁判を行います。つまりは、異議を認めるかどうか決めるということです。

 

・釈明処分(151条)

裁判所は、訴訟関係を明瞭にするため、様々な処分を下すことができます。

本人又は訴訟代理人を口頭弁論の期日に出頭させることや文書の提出命令等がこれにあたります。提出させた文書は返却しないで裁判所に置いておくことだってできます。検証や鑑定を命じることや調査を嘱託することもできます。

検証、鑑定、調査の規定は、証拠調べに関する規定に準じて行われます。