民事訴訟法 口頭弁論及びその準備 その2

民事訴訟法152条~ 口頭弁論

 

・口頭弁論の併合等(152条)

裁判所は、口頭弁論の制限、分離又は併合を命じることができます。逆にその命令を取り消すこともできます。

裁判所は、口頭弁論の併合を行った場合に、併合する前に尋問をした証人(当事者ではなく、あくまで証人)について、弁論の機会がなかった当事者が尋問の申出をしたときは、その尋問をしなければなりません。これは、弁論の併合前に採用された証拠は、すべて併合後にも効力のある証拠として取り扱われるためであり、採用に対して異議のある当事者の意見を挟む隙間がなければ、不公平になることが理由のようです。

ex)甲事件と乙事件を同一の裁判所が審理している場合において、両事件に重なる請求があったため、裁判長が口頭弁論の併合を命じた。併合前の甲事件で証人Aが尋問を受けていたところ、併合後に乙事件の当事者Bが証人Aの前証言について、補足をしたかったため、尋問の申出を行った。(←この申出は必ず認められます。)

弁論の併合は、裁判所の職権によって決定しますが、当事者はその決定を求めるために上申書にて意思を伝えることができます。採用するかどうかは裁判所次第ですが。

 

・口頭弁論の再開(153条)

裁判所は、一度終結した口頭弁論であっても、その再開を命じることができます。(重要な新しい証拠が発見された場合など。)

当事者は、口頭弁論の再開を申し立てることはできます。申立権(確立された権利)はないとされています(敗訴濃厚な当事者が無限に申し立ててしまい、裁判所はいちいちそれに対して裁判をしなければならないため。)ついでに、裁判所が不法に口頭弁論を再開しない場合は、控訴すれば足ります。

 

・時機に後れた攻撃防御方法の却下等(154条)

当事者が故意又は重過失により、時機に後れて提出された攻撃又は防御の方法は、これによって訴訟の完結を遅延させることになると認められる場合は、申立てにより又は職権で却下の決定をすることができます。

明瞭ではない攻撃又は却下の方法を提出した当事者が必要な釈明をしない又は釈明すべき期日に出頭しない場合も同様です。