民事訴訟法 証拠 その2

民事訴訟法181条~ 証拠総則

 

・証拠調べを要しない場合(181条)

裁判所は、当事者が申し出た証拠のうち、必要でないと認めるものは、証拠調べをしなくても良いです。また、証拠調べを行うにあたり、不定期間の障害がある場合も証拠調べをしないことができます。

ex)不定期間の障害→証人が失踪宣言を受けている、物証の建物が滅失しているetc

 

・当事者の不出頭の場合の取扱い(183条)

証拠調べは、当事者が期日に出頭しない場合であっても行うことができます。

つまり、当事者双方が期日に不在でも、証人さえいれば、証人尋問ができます。

 

・調査の嘱託(186条)

裁判所は、必要な調査を官公庁又は公署(外国含む)、学校、商工会議所、取引所、その他団体に嘱託することができます。

ex)離婚による財産分与を争う裁判で、相手方が財産があるのに開示しないので、銀行への調査嘱託を申し立てる。

ex)遺言書の有効性を争う裁判で、病院に対して被相続人認知症の症状が記載されたカルテや看護記録の開示を求める調査嘱託を申し立てる。

なお、調査の嘱託は裁判所へ「証拠の申出」を行う必要があり、裁判所が勝手に調査を嘱託することはありません。調査の嘱託は、法人等の団体に対して行うものであり、自然人である個人に嘱託することはできません。

 

判例(186条)

調査の嘱託を行って得られた回答等を証拠にするためには、裁判所が口頭弁論にて提示し、当事者に意見陳述の機会を与えれば足り、当事者の援用をすることを要しません。(最判昭和45.3.26)