憲法77条~ 司法
・最高裁判所の規則制定権(77条)
最高裁判所は、訴訟に関する手続き、弁護士、裁判所の内部規則及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。
②検察官は、最高裁判所の定める規則に従わなければならない。
③最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。
・判例(77条)
最高裁判所は、規則制定権を持ち、かつ、訴訟の上告事件を担当することが現行司法制度上予定されていることから、最高裁判所規則の制定に関わったことを理由に、最高裁判所裁判官について忌避の申立てをすることはできません。(最決平成3.2.25)
・裁判官の身分の保証(78条)
裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行うことはできない。
・最高裁判所の裁判官、国民審査、定年、報酬(79条)
最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。(ちなみに最高裁判所長官の任命は天皇です。=憲法6条)
②最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行われる衆議院総選挙の際国民の審査に付し、その後10年を経過した後初めて行われる衆議院総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。
③前項の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は、罷免される。
④審査に関する事項は、法律でこれを定める。
⑤最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する。
⑥最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。在任中、これを減額することができない。
・下級裁判所の裁判官、任期、定年、報酬(80条)
下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によって、内閣でこれを任命する。その裁判官は、任期を10年とし、再任されることができる。ただし、法律の定める年齢に達した時には退官する。
②下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。
・補足
最高裁判所裁判官→内閣が任命
下級裁判所裁判官→最高裁判所の提出した指名名簿に基づき、内閣が任命
裁判官の報酬が減額されない理由…報酬の減額をチラつかされて判決を変えないようにする意味があります。また、裁判官の報酬が高額であるのは、賄賂等によって、買収されないためです。新任の判事補であっても年報酬額は約500万円だそうです。