会社法 金銭以外の財産の出資

会社法207条 金銭以外の財産の出資

 

・金銭以外の財産で出資を行う場合

 通常、募集株式の発行に際し、引受人は金銭の払い込みを行うことで株主となります。しかし、会社が募集事項の定めによって金銭以外、すなわち現物財産を出資の目的とすることができます。

現物出資での募集株式の発行を行う場合、原則として現物出資された財産の価額が適正か検査をするため、裁判所に申し立てを行います。申し立てを受けた裁判所はその検査役を選定しなければなりません。

検査役は、裁判所と会社に対して検査結果について、報告の義務があります。

 

・検査を行った財産の価額の変更

現物出資された財産について、検査役がその価額は不当であると認めた場合、裁判所は価額を変更することができます。

また、財産の価額が変更された場合、価額の変更から1週間以内に限り、引受人は募集株式の引き受けを取り消すことができます。

ex)1000万円だと思っていた財産が検査役の検査によって800万円とする決定が下されたため、株式の引き受けをキャンセルした。

 

・検査役の選任、検査を省略できる規定

通常、現物出資を行う場合はその財産の価額を検査しなければなりませんが、以下の①~⑤のいずれかに当てはまる場合は検査を省略することができます。

①引受人に割り当てる株式が発行済株式数の10分の1を超えない場合。

②現物出資される財産の価額が500万円を超えない場合。

③現物出資される財産が上場企業の株式で、その市場価格を超えない場合。(有価証券は価額が変動するため、その価額の基準日は有価証券を募集事項に定めた日の終値です。給付日ではありません。)

④現物出資される財産について、弁護士等の証明を受けた場合。(不動産の場合は不動産鑑定士による検査が必要)

⑤現物出資される財産が会社に対する金銭債権である場合。(弁済期が到来しているもので、その負債以上の価額にならないもの。)

 

上記④について、会社の関係者や関係法人、募集株式の引受人は証明をすることができません。業務停止処分を受けた弁護士等も証明することはできません。