会社法 清算 その7

会社法504条~ 残余財産の分配 清算事務の終了

 

・残余財産の分配に関する事項の決定(504条)

清算会社清算人の決定(清算人会がある場合はその決議)により、残余財産の分配に関する事項を決定しなければなりません。残余財産の分配について内容の異なる種類株式を発行している場合は、種類ごとに決定します。(ある種類株主に分配をしない場合はその旨も決定します。)

残余財産の分配は株主が保有する株式数に応じた内容でなければなりません。ただし、自己株式に対して分配を行うことはできません。

 

・残余財産が金銭以外の財産である場合(505条・506条)

分配される財産が金銭以外の財産である場合、株主は当然に金銭分配請求権を有することとなります。金銭以外の財産を分配しようとするときは清算人の決定(清算人会があるばあいはその決議)により、以下の事項を定めます。

①金銭分配請求権を行使できる期間

②一定の数未満の株式を有する株主に分配を行わない場合はその旨と株式数

会社は①の期間の20日前までに株主に対し、①~②を通知します。

株主が金銭分配請求権を行使した場合、分配される財産が市場価格のあるものであれば、その算定方法により決定されます。市場価格がなければ、裁判所へ申し立てが必要です。(※)

※基準数未満の株式を保有する株主に対しては上記の基準により算定された金銭を交付しなければなりません。

 

清算事務の終了(507条)

清算会社はすべての清算事務が終了した場合、遅滞なく決算報告を作成しなければなりません。(清算人会があれば、)清算人会の承認を得た上で株主総会に提出・提供し、株主総会で承認を得る必要があります。

株主総会で承認を得た場合、懈怠責任を負うべき清算人の責任は免除されたものとみなされます。ただし、不正行為による責任は免除できません。