会社法 持分会社の計算等 その2

会社法620条~ 計算等

 

・資本金の額の減少(620条)

持分会社は出資や資本剰余金の組み入れによって資本金の額が増加します。逆に損失のてん補によって資本金の額が減少します。

合名会社、合資会社は損失のてん補のために、資本金の額を減少することができます。合同会社のみ、債権者の異議手続きを執らなければ、減少することはできません。

資本金の減少のみであれば、社員の過半数の同意によって行うことができます。総同意は不要です。

 

・利益の配当(621条)

社員は会社に対して利益の配当を請求することができます。

社員の債権者は利益配当請求権に対しても差し押さえができます。

 

・社員の損益分配の割合(622条)

特に定款に定めがない限り、損益分配の割合は出資額によって決められます。出資額が多ければ、たくさん利益を受けられますし、少なければその分利益も少ないです。損失が出た場合も同様です。

損益分配の割合を定款に定めることによって、出資額に関係なく損益分配の割合を等しくすることもできますし、無限責任社員有限責任社員で差を設けることもできます。利益又は損失の分配割合のみを定款で定めた場合であっても、別段の定めがない限り、損益両方に対し効力が発生します。

 

有限責任社員の利益の配当に関する責任(623条)

有限責任社員が会社の利益額を超えた配当を受けてしまった場合、当該利益の配当を受けた有限責任社員は連帯して配当額に相当する金銭を会社へ支払う義務を負います。

超過した配当を受けた有限責任社員が会社の債務を弁済する責任を負う場合、「出資金のうち出資を履行していない部分」+「利益額を超えた分の配当額に相当する金額」を弁済しなければなりません。要するに未出資金と利益額超過分の配当金です。

 

・出資の払い戻し(624条)

利益の配当と同様に、社員は会社に対して出資金(金銭以外含む)の払い戻しを請求することができます。ただし、自由に払い戻しを請求できるのは合名会社と合資会社の社員(有限責任社員含む)に限ります。合同会社に関しては後述します。

出資金に代えて現物財産を給付した場合であっても、金銭による払い戻しの請求が可能です。

社員の債権者は出資金の払戻請求権に対しても差し押さえができます。(持分会社の債権者はなんだって節操なく差し押さえやがる・・・。)