・訴訟代理人の資格(54条)
原則として、訴訟代理人は弁護士です。簡易裁判所で行う裁判の場合は、裁判所の許可を得た者も訴訟代理人となることができます。当事者の家族や会社の従業員などが想定されます。なお、裁判所はその許可をいつでも取り消すことができます。
法令上の訴訟代理人となることができる者についても、訴訟代理人になることができます。会社の支配人などがこれにあたります。ただし、登記されていることが必要です。
簡易裁判所においては、認定司法書士も訴訟代理人と認められていますが、上級審に移行した場合は認められません。
・訴訟代理権の範囲(55条)
訴訟代理人は、その代理する裁判において、反訴、参加、強制執行、仮差押え及び仮処分に関する訴訟行為を行うことができます。弁済を受領することもできます。
ただし、以下の行為については、特別の委任がなければ行うことができません。
①反訴の提起(相手方が提起した反訴に対して行う訴訟行為は、特別の委任は不要)
②訴えの取下げ、和解、請求の放棄又は認諾、訴訟からの脱退
③控訴、上告及びその取下げ
④異議の取下げ
訴訟代理人の権限は制限することはできません。ただし、弁護士以外の訴訟代理人の場合に限り、制限をすることができます。
・個別代理(56条)
訴訟代理人が複数名いる場合は、各自が当事者を代理します。代理権に制限をかけたり、共同代理であると定めたとしても、効力を有しません。
・当事者による更生(57条)
訴訟代理人の事実に関する陳述は、当事者が直ちに取け消し、又は更生した場合は、効力を有しません。つまり、ゆっくり取り消した場合は取消しの効力がなくなるということになりますね。