憲法 国民の権利及び義務 その4

憲法15条~ 国民の権利及び義務

 

・公務員の選定罷免権、公務員の本質、普通選挙の保障、秘密投票の保障(15条)

公務員を選定し、及びこれを罷免することは国民固有の権利である。

②すべての公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。

③公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。

④すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問われない。

 

判例(15条)

憲法15条が保証する選挙権は、幅広く被選挙権の保障をも含むと解されます。(最判昭和43.12.4)

選挙運動の総括主宰者が公職選挙法251条の2に定める選挙犯罪を行った場合、当選人が総括主宰者の選任及び監督について、注意を怠ったか否かに関わらず当選を無効とすることは、選挙制度の本旨に適い、違憲ではありません。(最判昭和37.3.14)

 

・請願権(16条)

何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律命令又は規則の制定、廃止又はその改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。(ここでいう何人は法人も含むと解されます。)

 

・国及び公共団体の賠償責任(17条)

何人も、公務員の不法行為により、損害をうけたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。

 

・奴隷的拘束及び苦役からの自由(18条)

何人もいかなる奴隷的拘束も受けない。また、犯罪に因る処罰の場合を除いでは、その意に反する苦役に服させられない。

 

・思想及び良心の自由(19条)

思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

 

判例(19条)

裁判所の命令により謝罪広告の公表を強制することは「単に事態の真相を告白し、陳謝の意を表するに止まる程度」であれば、思想・良心の自由を侵したとまでは言えません。(最判昭和31.7.4)

市立小学校の校長が音楽教師に対して入学式に君が代のピアノ伴奏を求める職務命令は、当該音楽教師の思想に反するものであったとしても、目的や内容において不合理とまでは言えないため、憲法19条に反するものではありません。(最判平成19.2.27)