憲法 国民の権利及び義務 その7

憲法22条~ 国民の権利及び義務

 

・住居・移転及び職業選択の自由、外国移住及び国籍離脱の自由(22条)

何人も、公共の福祉に反しない限り、住居、移転及び職業選択の自由を有する。

②何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。

 

判例(22条)

公衆浴場は、多数の国民の日常生活に必要不可欠の公共性を伴う厚生施設であるため、自由な設立を許すと、公衆浴場の乱立や競争の原理が働き、多数の国民が公衆浴場の利用が不便となってしまう可能性があります。そういった性質を有する公衆浴場の経営に許可を与えないことができる旨の規定を設けることは、憲法22条に違反するものではありません。(最判昭和30.1.26)…消極目的規制

生活様式の変化から、公衆浴場の経営が困難な状況にある今日においては、公衆浴場の廃業、転業を防止し、経営安定を図る目的で立法措置を取ることは、国民の保健福祉を維持に繋がり、公共の福祉に適合します。よって、公衆浴場の適正配置規制及び距離制限は、合理性を有しており、憲法に違反するものではありません。(最判平成1.1.20)…積極目的規制

薬局開設基準を設けることは、その目的が薬局の乱立に伴う不良医薬品の供給による国民の生命・健康に対する危険防止という消極的警察目的の規制である場合、その規制は行政取り締まりによっても目的を達成できることから、開設基準により薬局開設を断念する(=職業選択の自由を奪われる)危険を有する立法措置は、憲法22条に違反し、無効です。(最判昭和50.4.30)

 

・学問の自由(23条)

学問の自由は、これを保障する。

 

・家族生活における個人の尊厳と両性の平等(24条)

婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。

②配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

 

判例(24条)

家族の呼称を統一することには合理性があり、子が両親双方と同じ姓を名乗ることはその子が嫡出子であることを示す一定の意義があります。また、現代においては、婚姻後にも婚姻前の姓を名乗ることが広まっており、婚姻により姓を改める者の不利益も一定程度緩和されていると認められています。夫婦同姓制度が直ちに個人の尊厳や、両性の本質的平等を損ね、合理性に欠くものとして憲法24条に違反するとは認められません。(最判平成27.12.16)…さすがにこれは試験には出ないかな。