供託法 供託受入れ手続き その4

供託法 供託官の審査権限

 

・供託官による審査

供託受入れ申請を行った際に当然ではありますが、供託官は申請書のチェックを行います。ここでの審査は、形式的審査に留まるため、実質的審査を行うわけではありません。

教科書的な表現だったので、噛み砕いて解説を残します。

 

形式的審査は、申請書に書かれた内容が申請様式に当てはまっているかどうかの書類上の審査することです。供託者、被供託者の住所や氏名、供託原因等の記入漏れがないかを確認します。これが形式的審査です。役所の窓口的な役割です。

ただし、供託所における形式的審査は、実体的要件に及びます。実体法上無効な申請内容だった場合は、受理されません。

例えば、第三者による供託ができない事項について第三者による供託の申請がされた場合は、供託官は申請を受理しません。

 

実質的審査は、本当に弁済供託が必要な事項があったのかどうか、裁判上の主張が正しいのかどうかなど、いわゆる「裏を取る」ような審査を行うことです。

 

供託官は実体法上の有効無効の審査はできますが、実質的審査権を持つものではないということになります。(最判昭和59.11.26)