供託法 供託物払渡手続き その2

供託法 払渡請求時の添付又は提示書類

 

・印鑑証明書

供託物払渡請求書には、請求者の印鑑証明書(作成後3か月以内のもの)を添付する必要があります。

ただし、「①請求者が官公庁である場合」「②請求者が個人であって運転免許証等によって本人確認ができる場合」「③登記所に登記されていない者による請求であって、その額が10万円未満であり、かつ、官公庁の決定による払渡しであることの証明書を添付した場合」「④個人が取戻請求をする場合で、官公庁から発行された供託原因消滅の証明書を添付したとき」は、印鑑証明書を添付することを要しません。

利害関係人の承諾が必要な払渡請求の場合、利害関係人の承諾書が必要となりますが、併せて当該利害関係人の印鑑証明書を添付します。この印鑑証明書は、利害関係人の承諾書作成前3か月以内又は承諾書作成後に発行されたものである必要があります。添付すべき書面が「利害関係人の承諾書」であるため、申請日ではなく、承諾書の作成日を基準としている、ということかと思われます。

④の補足説明…裁判上の保証供託(執行停止や仮執行の担保供託等)であれば、裁判所からの証明書(担保取消決定書等)を、営業保証供託であれば、廃業証明書を添付します。

 

・代理権を証明する書面

法定代理人である場合は、その代理権限を証明する書面が必要です。親権者が未成年の子を代理する場合は、戸籍謄本がこれにあたります。

委任による代理の場合は、委任状が必要です。

代理権を証明する書面は、提示ではなく、添付が必要です。ただし、登記されている代理人(特に支配人)が申請する場合は、法務局が発行する登記事項証明書(資格証明情報)を提示すれば足ります

ちなみに供託金を代理人が本人に代わって受領することも可能です。その場合は、委任状に供託金受領の権限を委任する旨の記載も必要です。

 

・執行供託の配当請求手続きに必要な書面

第三債務者が執行供託を行ったものの、債権者が複数いる場合であって、裁判所が供託金ですべての債権を賄えないと判断したときは、各債権者へ配当を実施します。配当が決定された場合、債権者は、配当金の支払請求書に配当金の受領権限を証する書面を添付して、執行裁判所へ提出します。

ここで、裁判所書記官から配当に関する証明書を受け取ることができます。

執行供託の供託金から配当を受け取るには、供託物払渡請求書にこの配当に関する証明書を添付して、法務局へ申請を行う必要があります

 

・利息の払い戻し

供託金には、年1.2%年0.0012%(低すぎ!)の利息が付きます。

基本は元本と一緒に払渡請求を行いますが、元本と切り離して請求することも可能です。また、元本と利息の受取人が違う場合は、元本を先に請求し、その後に利息請求を行います。

元本と利息の受取人が異なる場合とは、元本又は利息の払渡請求権のみを譲渡、差押、譲渡、転付命令等の事情によって異にするに至ったときがこれにあたります。

なお、供託金の利息を払い戻せるのは、1年後の同月末日以降です。

ex)令和4年4月10日に供託をした場合、令和5年4月30日以降にそれまでの利息の払い戻しができます。