所有権保存登記 その3

不動産登記法74条 不動産の保存の登記

 

所有権の保存の登記がされていない不動産の表題部所有者から当該不動産を購入した購入者は自己に直接保存登記を行うことはできません。

ただし、所有権の保存がされていない不動産でそれが分譲マンションなどの区分建物である場合は、表題部所有者から区分建物を購入した場合であっても、その購入者は直接自己へ所有権の保存登記をすることができます。表題部所有者の保存登記を経てから、購入者へ所有権移転登記をする必要はありません。

これは区分建物が敷地権付きであっても自己へ直接保存登記が可能です。

 

表題部所有者が死亡し、その相続人から区分建物を取得した場合は、相続人の保存登記を経てから取得者へ所有権移転登記をする必要があります。あくまで表題部所有者から直接自己へ登記できるのは、表題部所有者から区分建物を取得した場合に限ります。

また、表題部所有者から区分建物を購入した購入者が所有権保存登記をしないまま死亡し、その相続人が登記をする場合も、当該相続人は直接自己に所有権の保存登記をすることができません。一度、購入者(故人)名義で保存登記をした後、相続人へ相続による所有権移転登記をする必要があります。

 

不動産の保存の登記には、登記原因とその日付は必要ありませんが、敷地権付き区分建物の保存登記に限り、登記原因とその日付を登記事項とする必要があります。

登記原因と日付→「〇年〇月〇日 売買」こういうの。

これは敷地権付き区分建物を表題部所有者から直接所有権を取得して行う所有権保存登記は実質的に敷地権の移転を伴うものであるから、その敷地権の移転を登記する必要があるためです。

さらに上記の場合は、敷地権の登記名義人の承諾を得なければ、保存登記ができません。そのため、敷地権の登記名義人の承諾書を添付して申請しなければなりません。