会社法 特別支配株主の株式等売渡請求 その2

会社法179条 株式等売渡請求

 

・売渡株主への通知

特別支配株主による株式等売渡請求を承認した対象会社は、取得日の20日前までに売渡株主と売渡新株予約権者(合わせて売渡株主等)、売渡株式の登録質権者に対し、通知を行います。

①売渡株主等…「承認した旨」「取得日」「株式の対価と割当て」「新株予約権を売渡請求する場合、その対価と割当て」「子会社に請求しない場合は、その旨」を通知します。通知を公告に代えることはできません

②登録質権者…「承認した旨」を通知します。通知を公告に代えることができます。

対象会社が売渡株主等へ通知、公告を行った場合、特別支配株主から売渡株主等に対して、株式等売渡請求を行ったものとみなされます。

 

・売渡請求の撤回

株式等売渡請求は、対象会社(の取締役会)の承認が得られた場合、撤回することができます。撤回は取得日の前日までに承認を得る必要があります。

新株予約権売渡請求のみの撤回はできますが、新株予約権売渡請求と同時に行った株式売渡請求のみを撤回することはできません。

売渡株主等に対する撤回の通知は、公告に代えることができます。

 

・売渡株式等の取得をやめることの請求

売渡株主の利益を著しく損なう場合は、当該売渡株主は特別支配株主に対し、売渡株式等の取得をやめることを請求できます。本請求は、請求を行った売渡株主の保有する株式のみではなく、売渡請求を受けているすべての株式が対象となります。

取得をやめることの請求ができるのは以下の場合です。

①法令に違反する場合

②対象会社が売渡請求の内容を正しく通知していない、またはそれらの記録を事前に備えおいていない、もしくは開示請求に応じない場合

③売渡請求の内容が対象会社の財務状況から著しく不当である場合