会社法 社債 その1

社債とは

まずは社債が何たるかを理解する必要があるので、まとめておきます。

会社から発行される社債は、その会社の借入金(=債務)です。社債保有する人が社債権者となります。

社債が満期を迎えると社債権者は会社から元本に利息を付けて返済してもらえます。

株式との決定的な違いは、株式が出資者(=株主)からの出資を目的としているのに対し、社債社債権者からの借入を目的としています。そのため、株式には返済義務がないのに対し、社債には返済義務が生じます。出資者である株主は議決権の行使等、会社経営への関与が可能となります。

どちらも会社が破綻したときに元本や出資金の回収が困難になるのは同じです。

 

社債の種類

普通社債…一般的な社債とは、この普通社債を指します。満期まで保有していれば、元本に利息を付けて返済してもらえます。

転換社債…「転換社債型新株予約権付社債」です。社債のまま保有しておくか、新株予約権を行使して株式に転換するか選べます。株式に転換すると、社債の機能は失われます。

ワラント債…「新株予約権社債」です。転換社債との違いは、新株予約権を行使しても社債は手元に残ることです。ただし、新株予約権の行使には、引き換えに係る払い込みが必要です。

劣後債…弁済の優先順位が他の債権より劣後する(=優先度が低い)社債です。そのため、会社が破綻すると弁済を受けられる可能性が低いです。その代わり利息が高め設定になっています。逆に優先出資証券(=優先債)もあります。

電力債…電力会社が電気事業法に基づいて発行する社債です。電力債には担保があるので、リスクは低めです。覚える必要はありません。