会社法 社債 その6

会社法706条~ 社債管理者

 

社債管理者の権限等(706条)

社債管理者が社債権者集会の特別決議によらなければ、行ってはならない行為が定められています。

社債の全部についてする支払いの猶予。債務不履行によって生じた損害の免除又は和解。

社債の全部についてする訴訟行為、再生手続、更生手続、特別清算に関わる手続きに属する行為。(募集社債に関する事項の決定の際、社債権者集会の決議によらず行うことができると定められている場合を除く。)

社債権者の利益を損なう可能性のある行為は、社債権者集会の特別決議を経なければ行うことができないということになります。

②については、社債権者集会の決議によらずに行った場合は、公告及び個別通知が必要となります。

 

・特別代理人の選任(707条)

社債管理者が行う行為が、社債権者との利益相反行為になる場合において、社債権者のために裁判上又は裁判外の行為を行う必要が生じたときは、社債権者集会の申し立てによって、裁判所が特別代理人を選任します。

 

社債管理者の責任(709条・710条)

2以上の社債管理者が選任される場合があります。その場合は、共同して社債管理に関する行為を行い、責任を負う場合は連帯責任となります。

法令違反による行為と利益相反行為による損害賠償責任があります。

 

社債管理者の辞任(711条)

社債管理者は社債発行会社と社債権者集会の承諾を得た上で辞任することができます。社債管理者の事務を継承する者がいない場合は、継承者を定めてから辞任しなければなりません。

また、事務の委任契約上の事由により辞任することもあります。この場合も継承者を定めなければなりません。

やむを得ない事由があって辞任しなければならない場合には、裁判所の許可が必要です。

 

社債管理者の解任(713条)

社債管理者が義務を怠り、違反し、又は事務処理に不適格である事由がある場合には、社債発行会社又は社債権者集会の申し立てにより、裁判所が解任させることができます。