民事訴訟法 口頭弁論及びその準備 その6

民事訴訟法168条~ 弁論準備手続

 

・弁論準備手続の開始(168条)

裁判所は、争点及び証拠の整理を行うために必要と認める場合は、当事者の意見を聴いて、弁論準備手続を行うことができます。当事者の意見は聴きますが、必ずしも反映させなければならない訳ではないです。

 

・弁論準備手続(168条)

論点が様々な方向に広がったり、新たな証拠が出てきたりすることで、裁判が長期化されることがあります。そういった場合、一度論点の整理を行い、どのような証拠を出したら良いか、どの真実を明らかにしたら良いかを明確にしたほうがスムーズです。

そういった場合に利用されるのが「弁論準備手続」です。弁論準備手続は、口頭弁論外で実施されるため、法廷ではなく、隣の弁論準備室や和解室等で行われます。

弁論準備手続は、必ず行わなければならない決まりはありませんが、割と良く利用されているようです。

 

・弁論準備手続の期日(169条)

弁論準備手続は、当事者双方が立ち会うことができる日に行います。

裁判所は、相当と認める者の傍聴を許すことができます。ただし、当事者から特定の者を傍聴させたい旨の申し出があった場合、裁判所は、手続き上の支障がない限り、傍聴させなければなりません。

 

・弁論準備手続における訴訟行為(170条)

弁論準備手続においても、裁判所は、当事者に準備書面を提出させることができます。

弁論準備手続でできることは、主に争点の整理であるため、証拠の採否に関する裁判や口頭弁論の期日外で実施できる裁判のみ行うことができます。

証拠調べについても、文書に関する証拠調べのみ行うことができます。当事者尋問、証人尋問等の尋問は一切行うことができません。

口頭弁論ではないため、弁論準備手続では、遠隔の地に居住している等、相当の理由があると裁判所が認めるときは、当事者の片方のみが出頭していれば、もう片方の当事者は電話の通話によって参加することができます。この場合、双方が出頭したものとみなされます。

その他の規定は、準備的口頭弁論の規定を準用します。