民事訴訟法 控訴 その2

民事訴訟法293条~ 控訴

 

・附帯控訴(293条)

被控訴人は、控訴権を失った後であっても、口頭弁論の終結に至るまでであれば、付帯控訴をすることができます。

附帯控訴は、正直試験には出なさそうですが、書いておきます。

 

・附帯控訴について

100万円の請求を求める裁判において、40万円のみ請求が認められる場合があります。

原告が控訴をする場合、40万円の請求は確定しているため、残った60万円のみ控訴審で争います。(296条1項)

また、被告が控訴をする場合は、第一審で確定した40万円についてのみ控訴審で争います。(304条)

上記の場合、原告が40万円の請求が認められて満足していたとしても、被告が控訴をする場合があります。(被告が控訴すると、原告が被控訴人となります。)

こうなると、原告(被控訴人)は第一審で40万円の請求が認められていたとしても、控訴審で争うのであれば、残った60万円に対しても請求したいところです。

そこで原告(被控訴人)は「附帯控訴」をすることができます。この例で原告(被控訴人)が附帯控訴を行うと、控訴審で残った60万円についても請求が認められる可能性が出てきます。

 

・第一審の訴訟行為の効力等(298条)

第一審で行った訴訟行為は、控訴審においても効力を有します。つまり、第一審で行った口頭弁論や弁論準備手続は、控訴審においても有効に審理の対象となります。

なお、すでに第一審にて終結した口頭弁論等について、控訴審で改めて攻撃防御の方法を提出することは可能です。この場合、相手方から第一審で提出できなかった理由の説明を求められたときは、提出者は説明義務が発生します。(実際の裁判では採用されずに却下されることが多いようです。)

 

・反訴の提起等(300条)

控訴審で反訴の提起をする場合、相手方の同意が必要です。

仮に反訴が自由であった場合、反訴について第一審が欠如した状態で審理が始まってしまいます。これは、相手方(反訴を受ける側)にとって、三審制が保証されないため、不利益に繋がります。

これが控訴審での反訴の提起には、相手方の同意が必要とされている理由です。