民事執行法 総則

民事執行法1条~ 民事執行総則

 

・趣旨(1条)

民事執行法には、強制執行及び担保権の実行による競売、民法・商法その他法律の規定による競売並びに債務者の財産状況調査に関する規定が定められています。これらを合わせて「民事執行」といいます。民事執行には、強制的に財産を差し押さえたり、競売したりする他に、財産状況の調査も含まれているということですね。

 

・執行機関(2条)

執行機関は、裁判所か執行官のいずれかです。

 

・執行裁判所(3条)

民事執行をするにあたり、実際に執行処分を決定する裁判所又は執行官の所属する裁判所を執行裁判所といいます。

 

・任意的口頭弁論(4条)

執行裁判所がする裁判は、口頭弁論を経ないで行うことができます。

 

・審尋(5条)

執行裁判所は、執行処分に際して必要と認めるときは、利害関係を有する者その他参考人を審尋することができます。

 

・執行抗告(10条)

民事執行の手続きに関する裁判に対しては、特別の定めがある場合に限り、執行抗告をすることができます。執行抗告ができる期間は、裁判の告知を受けたときから1週間以内です。

執行抗告は、なんでもかんでもできるものではありません。原則として執行の手続きに瑕疵がある場合に限り認められます。あらゆる裁判に執行抗告が認められてしまうと、債権者の権利が害されてしまいます。

 

・執行異議(11条)

裁判所の執行処分で、執行抗告ができないものについては、執行異議を申し立てることができます。執行官の処分及びその遅怠に対しても申立てが可能です。

執行異議には、期限の制限はありません。執行異議に利益がある間は、いつでも申し立てることができます。

 

民事訴訟法の準用(20条)

特別の定めがない場合、民事執行の手続きに関しては、民事訴訟法の規定が準用されます。