民事執行法

民事執行法 債務者の財産状況の調査

民事執行法196条~ 財産開示手続 ・管轄(196条) 債務者の財産開示手続は、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が、執行裁判所となります。 ・実施決定(197条) 以下に該当するときであって、執行力のある債務名義の正本を有する債権者が執行…

民事執行法 担保権の実行としての競売等

民事執行法180条~ 担保権の実行としての競売等 ・不動産担保権の実行の方法(180条) 不動産を目的とする担保権の実行は以下の2点に限られます。 ①担保不動産競売…担保不動産を競売し、その売却益を被担保債権の弁済に充てます。 ②担保不動産収益執行…担保…

民事執行法 金銭の支払を目的としない請求権についての強制執行

民事執行法168条~ 金銭の支払を目的としない請求権についての強制執行 ・不動産、動産引渡しの強制執行(168~170条) 原則、不動産、動産引渡しの強制執行においては、執行官が債務者の占有を解いて(取り上げて)、債権者にその占有を取得させる方法で行…

民事執行法 債権及びその他の財産権に対する強制執行 その3

民事執行法159条~ 債権執行等 ・転付命令(159条) 通常、金銭債権を差し押さえた場合、債権者が第三債務者へ直接取立てを行います。しかし、同一の金銭債権に対し他の債権者が差押えをしようとしている等の事情により、満足に取立てを行えない場合がありま…

民事執行法 債権及びその他の財産権に対する強制執行 その2

民事執行法151条~ 債権執行等 ・継続的給付の差押え(151条) 給料その他継続的給付に係る債権の差押えの効力は、差押債権者の債権及び執行費用を限度として、差押え後に生じる給付にも及びます。つまり、一度差押えをした給料や家賃債権等は、差し押さえた…

民事執行法 債権及びその他の財産権に対する強制執行 その1

民事執行法143条~ 債権執行等 ・債権執行の開始(143条) 金銭の支払い(金銭債権)や動産の引渡しを目的とする債権(担保権等)に対する強制執行は、執行裁判所の差押命令により開始されます。 (一応、船舶の引渡し債権も含まれるようですが、海事代理士…

民事執行法 動産に対する強制執行

民事執行法122条~ 動産執行 ・動産執行の開始等(122条) 動産に対する強制執行は、執行官が目的物に対する差押えにより開始されます。 ・債務者の占有する動産の差押え(123条) 債務者の占有する動産の差押えは、執行官が動産を占有して行います。 動産の…

民事執行法 不動産に対する強制執行 その3

民事執行法48条~ 強制競売 ・差押えの登記の嘱託(48条) 強制競売の開始決定がされたときは、裁判所書記官は、直ちにその開始決定に係る差押えの登記を嘱託しなければなりません。差押えの登記がなければ、第三者に対抗できなくなりますから、当然の措置で…

民事執行法 不動産に対する強制執行 その2

民事執行法45条~ 強制競売 ・開始決定等(45条) 執行裁判所は、強制競売の手続きを開始するには、強制競売の開始決定をし、債権者のために不動産を差し押さえる旨を宣言しなければなりません。 強制競売の開始決定は、債務者へ送達しなければなりません。 …

民事執行法 不動産に対する強制執行 その1

民事訴訟法43条~ 不動産に対する強制執行 ・不動産執行の方法(43条) 不動産に対する強制執行(不動産執行)は、強制競売又は強制管理の方法によります。これらの方法は併用することができます。 金銭の支払いを目的とする不動産執行においては、不動産の…

民事執行法 強制執行 その5

民事執行法38条~ 強制執行 ・第三者異議の訴え(38条) 第三者異議の訴えは、強制執行を行うことで、権利を害される可能性がある第三者(強制執行の目的物所有権を持っていたり、譲渡、引渡しを妨げる権利を有する者)によって提起されます。 第三者異議の…

民事執行法 強制執行 その4

民事執行法32条~ 強制執行 ・執行文の付与等に関する異議の申立て(32条) 執行文の付与の申立てを行うと、裁判所書記官又は公証人が付与を行います。この執行文付与の申立てに対する処分(付与をします又はしませんと決めることを処分と言います)に異議を…

民事執行法 強制執行 その3

民事執行法30条~ 強制執行 ・期限の到来又は担保の提供に係る場合の強制執行(30条) 期限の到来を条件とする請求の場合、期限が到来した後に限り強制執行ができます。期限の到来は、待っていればいつかその期限が来るので、期限が到来したことを証する文書…

民事執行法 強制執行 その2

民事執行法26条~ 強制執行 ・執行文の付与(26条) 執行文がなければ、強制執行はできません。(25条) 執行文は申立てがなければ、付与してもらうことができません。執行証書以外の債務名義は、事件記録の存する裁判所書記官が付与します。執行証書は、そ…

民事執行法 強制執行 その1

民事執行法22条~ 強制執行 ・債務名義(22条) 債務名義とは、文書です。債務者の名義になっている財産ではありません。 債務名義が具体的にどのような文書かというと、債権者が強制執行によって得られる債権の存在や範囲を明らかにした文書(=裁判所が強…

民事執行法 総則

民事執行法1条~ 民事執行総則 ・趣旨(1条) 民事執行法には、強制執行及び担保権の実行による競売、民法・商法その他法律の規定による競売並びに債務者の財産状況調査に関する規定が定められています。これらを合わせて「民事執行」といいます。民事執行に…