民事執行法 強制執行 その3

民事執行法30条~ 強制執行

 

・期限の到来又は担保の提供に係る場合の強制執行(30条)

期限の到来を条件とする請求の場合、期限が到来した後に限り強制執行ができます。期限の到来は、待っていればいつかその期限が来るので、期限が到来したことを証する文書は必要ありません。

債権者が担保の提供をすることを強制執行の条件とする債務名義は、債権者が担保を立てたことを証する文書を提供した後に限り、強制執行ができます。

 

・反対給付又は給付の不履行に係る場合の強制執行(31条)

債務者の給付が(債権者の)反対給付と引換えにするすべきものである場合、債権者が反対給付を行ったことを証明したときに限り、強制執行ができます。

債務者の給付が、他の給付について強制執行の目的を達成することができない場合、他の給付に代えてするべきものがあるときは、債権者が他の給付がなかったことを証明したときに限り、強制執行ができます。

少し文書がややこしいので例文。

ex)主文が「被告は原告に動産乙を引渡せ。動産乙を引き渡せない場合は100万円支払え。」という内容であった場合、原告(債権者)は、被告(債務者)が動産乙を引き渡せないことを証明したときに100万円に対して強制執行に移ることができます。

 

上記の30条、31条は強制執行開始の条件です。執行文付与の条件ではありません。